職業紹介やキャリア相談をはじめとしたキャリアコンサルティングを行う専門家である「キャリアコンサルタント」の資格について、取得難易度が気になっている方は多いのではないでしょうか。
本記事ではこれまでの合格率実績の解説や、Twitterアンケートをもとにキャリアコンサルタント試験の解説をしていきます。
結論からお伝えすると、キャリアコンサルタント試験は難しい試験ではありません。キャリアコンサルタント資格の取得が簡単な理由と、合格率の推移や合格に必要な学習時間や合格後の活躍フィールドについても解説していきます。
- キャリアコンサルタントとは
- キャリアコンサルタント試験の概要
- キャリアコンサルタント試験の合格率推移と難易度について
- キャリアコンサルタント学科・実技試験同時受験者数と合格率の推移
- 学科試験(筆記試験)の受験者数と合格率推移から考える難易度
- キャリアコンサルタント実技試験の受験者数と合格率推移から考える難易度
- 試験実施団体による難易度に違いはあるのか?合格率を比較!
- 養成講座のスクールによって合格率は違うのか?
- キャリアコンサルタント試験は独学でも挑戦可能
- キャリアコンサルタント試験の難易度に関する独自アンケート
- キャリコン合格に必要な学習時間は?(独自アンケート有り)
- キャリアコンサルタントの気になる年収は?
- キャリアコンサルタント資格を活かせる活躍フィールドは?
- キャリコン養成講座は専門実践教育訓練給付金の利用がオススメ!
- キャリアコンサルタント試験のよくある質問
- キャリアコンサルタント試験の難易度まとめ
キャリアコンサルタントとは
キャリアコンサルタントは2016年に国家資格化された人気資格で、キャリアコンサルティングを通して自分らしく生きることの支援を行う専門家です。
キャリアコンサルティングは労働者の職業選択や職業能力開発に関する面談(相談)を行い、必要に応じてアドバイスや指導を行うことをさしています。
キャリアコンサルタントは主に大学のキャリアセンターや職業紹介会社(転職エージェント)、企業の人事部などで活躍活躍する方が多いですが、その活躍フィールドは広く、応用が利く資格となっています。
また、名称独占資格のため国家資格保持者の人のみが「キャリアコンサルタント」を名乗ることが可能となります。
キャリアコンサルタント試験の概要
キャリアコンサルタント国家試験は年に3回実施されており、万が一不合格でもすぐに再挑戦が出来る点が特徴です。
キャリコン試験は学科試験・実技試験で構成されており、どちらか片方だけでも合格していれば次回受験時に科目免除を受けることも出来ます。
そのため、この点において比較的合格しやすい試験といえます。
受験料
キャリアコンサルタント試験の受験に必要な受験料は以下の通りとなっており、学科試験・実技試験を合わせて38,800円となっています。
- 学科試験:8,900円
- 実技試験:29,900円
前述したとおり、合格科目については受験が免除されるため、その際は受験料も不要となります。
決して安い金額ではないため、可能であれば一発合格を目指していきたいという方が多いでしょう。
キャリアコンサルタント試験の合格率推移と難易度について
キャリアコンサルタント試験の難易度は低く、比較的簡単に取得できる国家資格となっています。合格率を見ると、基本的には受験生の約50%以上の方が合格しているため、社会保険労務士等の合格率が10%以下の国家資格と比べると簡単に取得できる資格といえます。
また、キャリコン資格に求められる能力としては、「標準レベルのキャリアコンサルタント」を証明する資格となっており、取得難易度もそれに準じているため決して難しくありません。
それでは、実際の合格率はどれくらいなのでしょうか?まずはこれまでの合格率の推移から見ていきましょう。
キャリアコンサルタント試験合格率の推移グラフ
上記のグラフは第1回から最新の第24回試験の合格率推移を表したものです。第17回の合格率(赤ライン=学科試験・実技同時受験)はやや低く43.3%となっていますが、第10回~第16回は50%以上の合格率、第18回試験の合格率はなんと60.1%となっています。
(最新の試験である第24回は合格率45.4%)
キャリアコンサルタント試験合格が簡単な理由
キャリアコンサルタント試験の合格率が高いことをお伝えしてきましたが、なぜ試験合格が比較的容易なのでしょうか?いかにキャリアコンサルタント資格の合格が容易な理由を3つ記載させていただきました。
キャリコン試験合格が簡単な理由まとめ
・1科目だけでも合格すれば、次回は合格科目が免除される
・年に複数回受験の機会がある(チャンスが多い!)
・基本的に、合格率が50% 以上
このように、基本的に受験生の半数以上が合格に至っていることだけでなく、1科目だけ合格した場合には科目合格を次回受験の際に持ち越せることや、1年に複数回の受験チャンスが有ることから、年に1回しか受験できない社会保険労務士や行政書士等の国家資格と比べると試験合格を狙いやすい、資格取得が難しくない資格試験と言えます。
試験回によって合格率にムラはあるものの、基本的には50%以上の合格率で推移しているようですね!
この数字を見ると、キャリアコンサルタントは比較的取得しやすい国家資格だということが分かります。
キャリアコンサルタント学科・実技試験同時受験者数と合格率の推移
キャリアコンサルタント試験は学科試験と実技試験の2科目で構成されており、2科目同時に受験することも可能ですが、1科目づつ受けることも可能です。科目合格の制度もあるので、「先に学科試験だけ集中的に対策を行ったうえで合格し、次回試験で実技試験に挑戦する」ということも可能です。
受験料はそれぞれ
- 学科試験:8,900円
- 実技試験:29,900円
となっています。(計38,800円)
第1回~24回学科・実技試験同時受験者の合格率一覧
下表はキャリアコンサルタントの学科試験と実技試験を同時に受験した人数と合格者数の推移となります。
学科・実技試験同時受験者数 | 学科・実技試験同時受験合格者数 | 学科・実技試験同時受験合格率 | |
---|---|---|---|
第1回 | 1,387 | 660 | 47.6% |
第2回 | 1,475 | 820 | 55.6% |
第3回 | 1,760 | 867 | 49.3% |
第4回 | 1,572 | 323 | 20.5% |
第5回 | 1,647 | 710 | 43.1% |
第6回 | 2,140 | 1,146 | 53.6% |
第7回 | 1,752 | 897 | 51.2% |
第8回 | 2,042 | 1,109 | 54.3% |
第9回 | 1,904 | 574 | 30.1% |
第10回 | 2,722 | 1,492 | 54.8% |
第11回 | 2,753 | 1,579 | 57.4% |
第12回 | 2,654 | 1,553 | 58.5% |
第13回 | 3,281 | 1,772 | 54.0% |
第14回 | 2,772 | 1,533 | 55.3% |
第15回 | 5,148 | 2,849 | 55.3% |
第16回 | 3,337 | 1,670 | 50.0% |
第17回 | 2,910 | 1,260 | 43.3% |
第18回 | 3,638 | 2,187 | 60.1% |
第19回 | 3,697 | 1,795 | 48.6% |
第20回 | 3,073 | 1,686 | 54.9% |
第21回 | 3,489 | 1,637 | 46.9% |
第22回 | 3,942 | 2,338 | 59.3% |
第23回 | 3,220 | 1,955 | 60.7% |
第24回 | 3,757 | 1,704 | 45.4% |
基本的には50%前後の合格率で推移しており、改めて数字で見ると、資格取得難易度は比較的低いことが分かります。しかし、第4回と第9回試験は合格率が著しく低くなっており、こういった難問回で確実に合格するためには、かなりの対策が必要となります。
難易度 | 試験回 |
---|---|
合格が難しい(合格率約20~30%) | 第4回、第9回 |
標準的な難しさ(合格率約50~60%) | その他の試験回 |
合格率の推移をみると、まれに難易度がはね上がる回があることがわかります。
(第4回の合格率が20.5%、第9回合格率が30.1%)
合格率が極端に低くなっている要因は、実は学科試験(筆記試験)にあります。
学科試験(筆記試験)の受験者数と合格率推移から考える難易度
次にキャリアコンサルタント試験の学科試験の合格率推移を見ていきましょう!
下記は学科試験を受験した人数と合格者数の推移になります。
第1回~24回学科試験受験者の合格率一覧
下表は学科試験受験者の合格率の一覧です。
学科試験受験者数 | 学科試験合格者数 | 学科試験合格率 | |
---|---|---|---|
第1回 | 2,195 | 1,708 | 77.8% |
第2回 | 1,910 | 1,445 | 75.7% |
第3回 | 2,211 | 1,421 | 64.3% |
第4回 | 2,118 | 452 | 21.3% |
第5回 | 2,745 | 1,380 | 50.3% |
第6回 | 3,224 | 2,022 | 62.7% |
第7回 | 2,690 | 1,461 | 54.3% |
第8回 | 2,879 | 1,823 | 63.3% |
第9回 | 2,725 | 831 | 30.5% |
第10回 | 4,086 | 2,625 | 64.2% |
第11回 | 3,815 | 2,388 | 62.6% |
第12回 | 3,744 | 2,827 | 75.5% |
第13回 | 3,945 | 2,805 | 71.1% |
第14回 | 3,329 | 2,237 | 67.2% |
第15回 | 6,033 | 4,526 | 75.0% |
第16回 | 4,143 | 2,678 | 64.6% |
第17回 | 3,758 | 2,136 | 56.8% |
第18回 | 4,652 | 3,771 | 81.1% |
第19回 | 4,667 | 2,637 | 61.6% |
第20回 | 3,998 | 3,115 | 77.9% |
第21回 | 4,158 | 2,567 | 61.7% |
第22回 | 4,797 | 3,943 | 82.2% |
第23回 | 3,812 | 3,188 | 83.6% |
第24回 | 4,268 | 2,244 | 52.6% |
学科試験の合格率は基本的に50~80%程度を推移しており、試験突破はそこまで難しくありません。特に第23回試験は合格率83.6%と非常に高い合格率となっています。
ですが、第4回と第9回試験の合格率は極端に低い結果となっています。このような難問回がたまに登場するため、学科試験に確実に合格するには、かなり念入りに対策を行うことが必要となります。
しかしその反面、第23回試験の学科合格率は83.6%と過去最高となっており、試験実施回ごとに難易度にムラがあるのが学科試験の特徴です。
難易度 | 試験回 |
---|---|
合格が難しい(合格率約20~30%) | 第4回、第9回 |
合格が簡単(合格率約70~80%) | 第1回、第2回、第12回、第13回、第15回、第18回、第20回、第22回、第23回 |
標準的な難しさ(合格率約50~70%) | 上記以外の試験回 |
第4回の筆記試験合格率はなんと21.3%!第9回合格率も30.5%と恐ろしく低くなっていて、試験全体の難易度が高い(合格率が低い)回の試験は、筆記試験が鬼門になっているようです!
学科試験(筆記試験)の合格基準について
学科試験は、4択式のマークシートによる筆記試験で行われ、100点満点中70点以上の得点で合格となります。
試験時間は100分で50問の問題に回答することになるため、時間との戦いになります。
ちなみに、学科試験に関しては受験団体による問題の違いはないため、どちらも同じ合格ライン・同じ難易度となっています。
過去3回分の過去問は受験団体サイトで公開されているため、学習の際には過去問対策が必須となります。(過去三回分の過去問はコチラでチェック!)
学科試験の難易度まとめ
合格率をみると分かるように、学科試験の難易度は本来そこまで高くありません。
また、一度学科試験に合格をすれば、万が一実技試験に落ちてしまっても「学科試験の合格」は次回に持ち越すことが可能なため、資格そのものの取得は難しくありません。
学科試験の難易度まとめ
・合格率はおおむね50%以上だが、稀に難問回有り
・100点満点で70点以上で合格
・合格すれば、実技試験が不合格でも次回学科試験は免除
学科試験は正直なところ、対策をしっかりすれば決して難しい試験ではありません。
しかし、合格率が安定していないため、難易度の高い難問回に当たっても合格するためには「過去問対策」をしっかりすることに加え、キャリア理論や統計を押さえておくことが必要です。
キャリアコンサルタント実技試験の受験者数と合格率推移から考える難易度
最後に、実技試験の合格率の推移と難易度を見てみましょう。実技試験は学科試験ほど合格率にムラがなく、対策さえすれば突破するのはそこまで難しくありません。
第1回~24回実技試験受験者の合格率一覧
下表は実技試験の受験者数と合格者数の推移となります。
実技試験受験者数 | 実技試験合格者数 | 実技試験合格率 | |
---|---|---|---|
第1回 | 2,376 | 1,425 | 60.0% |
第2回 | 2,373 | 1,529 | 64.4% |
第3回 | 2,510 | 1,586 | 63.2% |
第4回 | 2,335 | 1,609 | 68.9% |
第5回 | 2,055 | 1,399 | 68.1% |
第6回 | 2,610 | 1,845 | 70.7% |
第7回 | 2,282 | 1,660 | 72.7% |
第8回 | 2,429 | 1,688 | 69.5% |
第9回 | 2,395 | 1,624 | 67.8% |
第10回 | 3,117 | 2,185 | 70.1% |
第11回 | 3,276 | 2,448 | 74.7% |
第12回 | 3,271 | 2,142 | 65.5% |
第13回 | 4,060 | 2,489 | 61.3% |
第14回 | 3,650 | 2,407 | 65.9% |
第15回 | 6,026 | 3,799 | 63.0% |
第16回 | 4,692 | 2,873 | 61.2% |
第17回 | 3,967 | 2,303 | 58.1% |
第18回 | 4,604 | 2,924 | 63.5% |
第19回 | 4,875 | 2,978 | 61.1% |
第20回 | 4,128 | 2,483 | 60.2% |
第21回 | 4,756 | 2,743 | 57.7% |
第22回 | 5,101 | 3,295 | 64.6% |
第23回 | 4,532 | 2,855 | 63.0% |
第24回 | 5,064 | 3,313 | 65.4% |
キャリアコンサルタント試験の実技試験合格率は筆記試験と比較すると安定しており、概ね60~70%を推移しています。
「学科試験」は筆記試験のみで行われるのに対し、「実技試験」は論述試験と実際のキャリアコンサルティング場面を想定した面接試験(ロープレ試験)の2科目から構成されています。
学科試験の合格点は100点満点で70点以上に対し、実技試験では150点満点で90点以上の得点が必要になります。
第1回~19回試験まで合格率は安定しており、常に受験生の50%以上が合格しています。今のところ、学科試験のように合格率が大きく上下することは無いようです。
難易度 | 試験回 |
---|---|
合格が簡単(合格率70%以上!) | 第6回、第7回、第10回、第11回 |
標準的な難しさ(合格率58~70%) | その他の試験回 |
筆記試験に比べ、実技試験の合格率は安定していますね!
筆記・実技のどちらかさえ合格していればその科目は次回試験で免除されるため、合格できる可能性がグッと上がります。そのため、キャリアコンサルタントは比較的取得が簡単な国家資格といえます。
実技試験の合格基準について
上述したように、実技試験は論述試験・面接試験を合わせて150点満点で90点以上の得点で合格となります。
ただし、論述試験単体での得点が40点以上、かつ面接試験の評価区分である「主訴・問題の把握」「具体的展開」「傾聴」のすべてにおいて満点の40%以上が必要になります。
どの評価項目も満遍なく獲得する必要がありますが、合格基準そのものは決して高くありません。
実技試験の難易度まとめ
実技試験は学科試験以上に合格率が安定しており、また、合格基準も決して高くないことから、突破が比較的簡単な科目となります。
また、学科試験同様に科目合格を次回試験に持ち越すことが可能なため、万が一、学科試験が不合格でも実技試験に合格していれば、次回の受験時には実技試験が免除されます。
実技試験の難易度まとめ
・合格率は常に50%以上
・150点満点で90点以上で合格
・論述試験と、実技試験の各評価項目で40%以上の得点が必要
・合格すれば、学科試験が不合格でも次回実技試験は免除
実技試験は6割の得点(90/150)で合格可能ですが、各評価項目で40%以上の得点が必要になるため、どの評価項目もある程度ムラなく鍛える必要があります。
試験勉強の段階で自信の苦手分野を把握して、重点的に対策を行うことが合格への1歩になります。
試験実施団体による難易度に違いはあるのか?合格率を比較!
キャリアコンサルタント試験は「JCDA(日本キャリア開発協会)」と「CC協議会(キャリアコンサルティング協議会)」の2団体で実施しています。
学科試験は全く同じ内容で出題されますが、実技試験(論述試験・ロープレ試験)については内容が異なっています。そのため、団体によっては合格率に若干の違いが生まれているようです。
CC協議会とJCDAの合格率を比較
CC協議会 | JCDA | |
---|---|---|
学科試験 | 53.0% | 51.6% |
実技試験 | 65.8% | 64.5% |
学科・実技試験 同時受験者 | 45.2% | 45.8% |
参照:JCDAキャリアコンサルタント試験結果
参照:CC協議会キャリアコンサルタント試験結果データ
第24回の試験結果としては、学科・実技同時受験した方の合格率がキャリアコンサルティング協議会では45.2%だったのに対し、JCDAでは45.8%となっており、どちらの団体もほぼ同等の合格率を出しています。
しかし、毎回合格率がほぼ同じになるわけではなく、第18回試験ではキャリアコンサルティング協議会の合格率は64.0%に対し、JCDAでは54.6%となっており、18回試験ではキャリアコンサルティング協議会の方が合格率が高いという結果になっていました。
試験団体による難易度の違いは無い
このように、試験回ごとに合格率にばらつきがあるものの、どちらかに偏りがあるわけでは無いので、特定の団体で受験した方が合格を得やすいということは、ほぼないと考えられます。
ですが、養成講座の主催団体によっては、特定の試験団体を推奨されるケースも有るので、確認を行う必要があります。
また、各試験団体で過去問を確認することが可能ですので、論述試験の内容を確認して、自分にあった試験団体を確認するのも良いでしょう。
試験を実施する団体によって、試験に合格する難度に大きな違いは無いようです。
ですが、養成講座によって試験の推奨団体を指定される場合もありますので、ご自身の受講される養成講座に合わせて検討しても良さそうですね!
養成講座のスクールによって合格率は違うのか?
試験の合格率を考えるうえで、「どこの養成講座(スクール)に通うのか?」は重要な要素になります。
結論からお伝えすると、キャリアコンサルタント養成講座はスクールによって合格率が大きく違います。そのため、より自分自身にあう養成講座を見つけることが、キャリアコンサルタント資格取得の近道といえます。
オススメのキャリコン養成講座
各スクールの国家試験合格率については、下記の記事で紹介しております。
合格率だけではなく、受講料や各スクールの特徴などを一覧で比較しやすいように紹介しておりますので、是非講座選びの際にお役立てください。
キャリアコンサルタント試験は独学でも挑戦可能
キャリアコンサルタントは、受験資格さえあれば独学でも取得可能な資格です。
ただし、受験資格のハードルは高く、ほとんどの受験生が「キャリアコンサルタント養成講座」を受講して国家試験に臨んでいます。
実務経験が3年以上ある場合は受験可能
実務経験が3年以上ある場合は、養成講座に通わなくても受験資格を得られるため、キャリアコンサルタント資格取得を独学で目指すことが可能です。
しかし、養成講座に通わずに受験を行う場合は様々なデメリットが考えられるため、個人的には実務経験が3年以上あってもキャリアコンサルタント養成講座に通ったうえで試験に挑戦するのがおすすめです。
※受験資格や独学受験のメリット・デメリットについて下記記事にまとめています。
キャリコン養成講座を未受講の受験生は合格率が低い
しかし、実務経験のみで受験をした受験生は養成講座に通った方より合格率が低く、最新の第24回の学科試験では養成講座修了の方は54.6%の合格率に対し、実務経験受験の方の合格率は35.6%となっています(下表参照)。
つまり、独学で試験に臨む場合は難易度が1段階上がると言えます。
受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
---|---|---|---|
養成講座修了 | 3,822人 | 2,086人 | 54.6% |
実務経験 | 444人 | 158人 | 35.6% |
受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
---|---|---|---|
養成講座修了 | 4,507人 | 3,049人 | 67.7% |
実務経験 | 520人 | 247人 | 47.5% |
このように、独学で臨んだ方の合格率は著しく低くなっているので、より確実に合格を目指すためには、実務経験がある方でも養成講座に通って試験に臨むことも、選択肢のひとつとして考えられます。
キャリアコンサルタント試験の難易度に関する独自アンケート
さて、実際にキャリアコンサルタント試験に挑戦したことが有る方は、キャリコン取得の難易度についてどう思っているのでしょうか?
資格取得難易度について、実際に受験した経験の有る方へTwitterでアンケートを実施しましたので、ご紹介させていただきます。
キャリアコンサルタント受験の経験ある方に質問です!
— パオ助🐘正直キャリコン (@paopao_career) January 13, 2022
「キャリコン資格の取得難易度は?」
「標準的な難易度」と回答した人が48.1%
Twitterアンケートの結果としては、以下の様になりました。
難易度 | 回答率 |
---|---|
簡単 | 24.1% |
標準的 | 48.1% |
難しい | 27.8% |
標準的な難易度と感じている方がもっとも多く約半数(48.1%)を占めているのに対し、難しいと回答したのは27.8%、簡単と回答したのは24.1%と続きました。
実際に受験した方の多数が「標準的な難易度」と回答していることから、やはりキャリアコンサルタント試験の合格は決して難しくありません。
しかし、論述試験は採点基準が明確に示されておらず独学での対策が難しいことや、学科試験は希に難問回が有ることから、確実にキャリコン資格を取得するためにはしっかりと対策を練ることが必要です。
キャリコン合格に必要な学習時間は?(独自アンケート有り)
キャリアコンサルタント試験に合格するために、学習時間はどれくらい必要になるのでしょうか。
キャリアコンサルタント養成講座では、150時間に及ぶカリキュラムを学ぶので、養成講座に通う方は否応なく150時間以上の勉強をすることになります。
ただし、試験に合格するためには、養成講座に通う以外にも自分自身で学習時間を確保する必要があります。
学習時間アンケート結果
人によってキャリアコンサルタント試験にかける学習時間は様々ですが、こちらもTwitterで学科試験勉強時間についてのアンケートをとったところ、下記のような結果となりました。
【募集!】
— パオ助🐘正直キャリコン (@paopao_career) June 14, 2022
キャリアコンサルタントの学科試験、どの位勉強しましたか?
皆様の勉強時間を教えてください!(覚えている範囲でOKです・・・!)
これを見ると、「50時間以下」と「100~200時間」と回答した方が最も多く、それぞれ32.6%を占めていました。
人によって学習時間は様々ですが、筆記試験に自信がある方や、すでに予備知識がある人以外は、100時間以上の学習時間を確保するつもりで臨んだ方がよさそうです。
上記のアンケートを参考に、仮に100時間の学習で資格取得が可能だとすれば、1日2時間勉強時間を確保できれば、約2か月で試験に挑戦可能なレベルになることが想定できます。そのため、働きながら資格取得を目指すことも比較的容易な資格といえます。
キャリアコンサルタントの気になる年収は?
キャリアコンサルタントは収入面的には有効な資格なのでしょうか?キャリアコンサルタント資格保持者の収入について、2017年に行われた労働政策研究所の調査結果があります
平均年収は約584万円
割合 | |
収入無し | 2.1% |
200万円未満 | 13.6% |
200万円~400万円未満 | 33.2% |
400万円~600万円未満 | 21.5% |
600万円~800万円未満 | 14.1% |
800万円~1000万円未満 | 7.5% |
1000万円~1200万円未満 | 7.9% |
参照:労働政策研究報告書 No.200キャリアコンサルタント登録者の活動状況等に関する調査
この結果だけを見ると「200~400万円」の収入のキャリコンが最も多いという結果となりました。
また、厚生労働省が運営する「職業情報提供サイト」において、キャリアコンサルタントの平均収入は約584万円となっており、就職先の組織や働き方によって大きく収入が変化することが分かります。
キャリアコンサルタントの年収・収入に関しては下記の記事で詳しくご紹介しておりますので、ご興味がある方はご参照ください。
キャリアコンサルタント資格を活かせる活躍フィールドは?
キャリアコンサルタント資格の取得後は、どんな活躍のフィールドがあるのでしょうか?
キャリアコンサルタントは大学のキャリアセンターや公的就業支援機関、人材紹介・人材派遣会社、企業の人事・教育関連部門等、幅広い分野で活躍を期待されています。
2017年の調査では、「主な活動場所」として「企業」であるキャリアコンサルタントが最も多く34.2%を占めており、「需給調整機関(派遣、ハローワーク、転職・再就職支援)」に所属しているキャリコンが20.2%、「学校・教育機関(キャリア教育、キャリアセンター)」が主な活動場所のキャリコンが17.2%と続いてます。
参照:労働政策研究報告書 No.200「キャリアコンサルタント登録者の活動状況等に関する調査」
私も「人材紹介」を行う企業で、両面型の転職エージェントとして働いていましたが、キャリアコンサルタント資格を取得してからというもの、求職者の本音をより聞き出せるようになったと実感しています。
また、学習の過程でカウンセリング技法やキャリア理論を体系的に学べるので、後輩教育の際にも非常に重宝しました。
キャリアコンサルタントはフリーランスとして働ける?
キャリアコンサルタント資格の取得を目指している方のなかには、キャリコンとして独立を検討している方もいらっしゃるのではないでしょうか?
「キャリアコンサルタント登録者の活動状況に関する調査」によれば、キャリコン資格保持者の10.9%が現在の就労状況を「キャリアコンサルタントとしてフリー・自営」と回答しており、約10人に一人がフリーランスとして活躍しています。
また、最近ではオンライン上でのキャリアコンサルティングも広まっており、キャリアコンサルタントとしての活躍の場も広がりを見せています。
そういったフリーランスでの活躍を行う方にとって重宝する「キャリアコンサルタント向けのサービス」は、キャリアコンサルティングの普及に伴い、これからも増加していくと考えられます。
フリーランスや副業キャリコンにおすすめのサービス
これからキャリアコンサルタントを目指す方、もしくはすでに資格をお持ちの方は、下記の記事でキャリアコンサルタントに登録がオススメのサービスをまとめております。
「資格を取ってもどうやって活かせば良いか分からない」という方は、是非ご覧ください!
キャリコン養成講座は専門実践教育訓練給付金の利用がオススメ!
キャリアコンサルタント資格を取得するには、実務経験がない場合はキャリアコンサルタント養成講座を修了する必要があります。キャリアコンサルタント養成講座に通う場合は費用が高額になってしまうため、最大70%補助が出る「専門実践教育訓練給付金」を利用することがオススメです。
キャリアコンサルタント養成講座に通うためには、約30~50万円の受講費用が必要になるため、経済的負担を軽減して資格を取得するためには、給付金を上手に使って受講することがオススメです。
自分自身がキャリアコンサルティングを受けられるチャンス!
「専門実践教育訓練給付金」の申し込みを行うにあたり、「訓練前キャリアコンサルティング」を受けることが必要になるため、自分自身がキャリアコンサルタントのキャリアコンサルティングを受けることになります。
実は、自身がキャリアコンサルティングを受ける機会というのは意外と多くありません。
そのため、訓練前キャリアコンサルティングは貴重な経験となりますので、もしキャリアコンサルティングを受けてみたい気になるキャリアコンサルタントがいれば、この機会に依頼が可能か確認してみるのも良いかもしれません。
キャリアコンサルタント試験のよくある質問
ここではキャリアコンサルタント試験に関するよくある質問と回答をご紹介します。
- Qキャリアコンサルタント試験の難易度は?
- A
キャリアコンサルタント資格は国家試験の中では比較的取得しやすい資格です。
合格率は例年50~60%で推移しており、科目合格制度もあるうえに試験は基本的に年3回開催されるので、挑戦しやすい資格試験といえます。
- Q試験団体による難易度の違いは?
- A
キャリアコンサルタント試験は「JCDA」「キャリアコンサルティング協議会」の2団体で開催されており、どちらを選んでも試験難易度に大差はありません。
ただし、試験団体によって試験内容や評価基準が違うため、自分自身に合った試験機関を選ぶのがオススメです。
- Qキャリコン養成講座はどうやって探せばいいの?
- A
厚生労働省の講習検索サイトで探すことも可能ですが、特にオススメのスクールは以下の記事でまとめています。(参考:オススメのキャリコン養成講座はコチラ)
上記オススメ記事の中ではスクールごとの合格率も比較できるようになっているので、確認したうえで講座を選ぶのがオススメです。
- Q受験にかかる費用は?
- A
キャリコン試験を受ける際にかかる費用は合計38,800円(学科試験:8,900円+実技試験:29,900円)です。
また、試験合格後は厚生労働省のキャリアコンサルタント名簿に登録する必要があり、こちらは合計17,000円(手数料:8,000円+登録免許税:9,000円)が必要になります。
- Qキャリコン試験は誰でも受けれるの?
- A
原則、厚生労働大臣が認定する養成講座を修了する必要がありますが、実務経験が3年以上ある方は講座に通わずに受講することも可能です。
くわしくは以下の記事にまとめていますのでご確認ください。
キャリアコンサルタント試験の難易度まとめ
キャリアコンサルタント試験の難易度は、合格率だけ見ると平均合格率50%(例年60%~70%台)を越える上、科目合格もあるので取得が比較的簡単な資格と言えます。
ですが、言い換えると養成講座に通った方でも「半数も落ちる試験」とも言えます。
また、学科試験の難問回に当たってしまうと難易度は一気に上がってしまいます。
キャリコン資格取得に挑戦する方は、資格取得後に自分らしく活躍できるようにするためにも、しっかり勉強して試験に臨む必要が有るでしょう。
また、キャリアコンサルタント資格はあくまで「標準レベル」という基準の能力を証明する資格となりますが、難易度が物足りない方は「熟練レベル」基準であるキャリアコンサルティング技能士2級(第26回実技試験合格率19.73%)の取得を目指すのも良いかもしれません。
キャリコン資格は取得後5年ごとに更新講習を受講の上で更新を行うことが必要ですが、キャリアコンサルティング技能士2級に合格すれば、最初の更新講習が不要になるため、実務経験などの受験資格をお持ちの方は、キャリコン資格取得後に挑戦してみるのがオススメです。
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