キャリアコンサルティング技能士2級の難易度・合格率は?受験資格の要件や資格取得のメリットについても解説!

トレーニングイメージ キャリアコンサルタント

キャリアコンサルタント国家資格を取得した方や、すでに実務経験が長い方の中には上位資格である「キャリアコンサルティング技能士2級」を取得したいと考えている方も多いのではないでしょうか。

結論からお伝えすると、キャリアコンサルティング技能士2級の取得難易度は高く、合格率は20%弱となっています。

本記事では、キャリアコンサルティング技能士2級に求められるレベルや取得難易度、合格率推移や受験資格等について解説していきます。

国家資格キャリアコンサルタント(標準レベル)の難易度はコチラ

キャリアコンサルティング技能士とは

キャリアコンサルティング技能士とは、技能検定職種のひとつとして2008年に追加された検定試験で、キャリアコンサルティングの知識と技能を測る国家検定です。

「標準レベル」とされるキャリアコンサルタントに対し、キャリアコンサルティング技能士は熟練レベル~指導レベルとされており、国家資格取得後のステップとして目指す方の多い資格となっています。

キャリアコンサルティング技能士の試験は、キャリアコンサルタント国家資格と同様に、学科試験と実技試験(論述及び面接)で行われ、両方の試験に合格すると「キャリアコンサルティング技能士」の称号が付与されます。

キャリアコンサルティング技能士2級・1級に求められるレベル

キャリアコンサルティング技能士の等級には1級と2級があり、キャリアコンサルタント国家資格と比較して下記のように求められるレベルが設定されています。

また、試験難易度もその水準に合わせて難しくなっています。

資格・技能検定レベル基準難易度
キャリアコンサルティング技能士1級 指導者レベルかなり難しい
キャリアコンサルティング技能士2級熟練レベル難しい
キャリアコンサルタント国家資格標準レベル普通
キャリアコンサルタント資格とキャリアコンサルティング技能士の求められるレベル

キャリアコンサルティング技能士2級に求められるレベル

「熟練レベル」と定義されているキャリアコンサルティング技能士2級は、具体的には以下のように求められる能力を定義されています。

個人の相談に対して相談者との関係構築のもとに問題・課題などを見立てることができ、1対1の相談支援が的確にできるレベル

標準レベルとされる国家資格キャリアコンサルタントと比較して、より的確な個人への支援スキルが求められていることが分かります。

キャリアコンサルティング技能士1級に求められるレベル

「指導者レベル」と定義されているキャリアコンサルティング技能士1級は、具体的には以下のように定義されています。

個人の相談支援を2級より高い水準で的確に行うキャリアコンサルティング能力を有し、組織への働きかけや関係者との連携などのコーディネート能力が求められ、キャリアコンサルタントからの相談に対して不安を解消し、気づき、成長を促すような指導・アドバイスができるレベル

1級技能士は個人への支援だけではなく、組織への働きかけやキャリアコンサルタントの育成が求められていることが分かります。

現状、キャリアコンサルティングに関わる最も上位の資格ですが、後進育成も求められる「指導者レベル」は非常に難易度が高く、実技試験の合格率は10%以下を推移しています。

このように、標準レベルキャリアコンサルタントといわれる国家資格に対し、キャリアコンサルティング技能士は、より実践的な高いレベルの能力を要求されています。

キャリアコンサルティング技能士2級の取得は難しい!?難易度と最新の合格率について

結論からお伝えすると、キャリアコンサルティング技能士2級の合格難易度はやや高めとなっています。

まずは2級技能士の合格率を見ていきましょう。

下表は最新のキャリアコンサルティング技能士2級の試験結果データです。

試験回学科試験合格率実技試験合格率
第26回57.37%19.73%
第27回66.77%19.01%
第28回57.40%17.63%
第29回68.87%15.36%
第30回58.18%17.72%
【最新】キャリアコンサルティング技能士2級の合格率

これを見ると、学科試験の合格率は決して高くないですが、実技試験は80%近くの受験生が不合格になっていることが分かります。科目ごとに見ていきましょう。

キャリアコンサルティング技能士2級の学科試験の難易度

先述したように、学科試験は決して難しいものではなく、55%~70%程度を推移しているため、キャリアコンサルタント国家資格と合格率はそこまで変わりません。

試験内容そのものも、国家資格キャリアコンサルタント(標準レベルキャリアコンサルタント)と比べて、そこまで難易度が上がっているわけではありません。

そのため、技能士試験を突破するための障害となるのは「実技試験」です。

キャリアコンサルティング技能士2級の実技試験の難易度

実技試験の合格率は第26回・27回ともに20%を下回っており、キャリアコンサルタント国家試験と比較すると、はるかに低い合格率となっています。

合格率が低い要因は、実技試験にあります。

合格率が低い要因

キャリアコンサルティング合格率が低くなっていることの要因として、標準レベルキャリアコンサルタントより求められるレベルが高いことが挙げられます。

面接試験はロールプレイ30分、口頭試問10分の計40分で構成されており、キャリアコンサルタント試験より長い持ち時間となっていますが、関係構築がしっかりできていることを前提に、「問題把握」「適切な目標の設定」「相談者の認知の変化」までが求められます。

参照:キャリアコンサルティング技能検定受験概要

キャリアコンサルティング技能士の試験を受ける方は、基本的に実務経験がある方になりますが、40分という短い時間で上記のような面接を求められることが、合格率が低くなっている要因の一つです。

独学で挑戦するのも良いですが、「試験対策に何をすればよいのか分からない」という方はキャリアコンサルティング技能士の試験対策講座を受けてみるのもアリだと思います。

キャリアコンサルティング技能士2級の受験資格について

キャリアコンサルティング技能士2級の試験は、誰でも受けられるわけではありません。

その受験資格は国家資格キャリアコンサルタントよりも厳しく、以下のいずれかに該当することが必要です。

キャリアコンサルティング技能士2級の受験資格一覧

キャリアコンサルティング技能士2級の受験資格は以下の通りです。

実務経験が必須となる試験ですが、そこまでハードルが高いわけではないことが分かります。

No受験資格
15年以上の実務経験を有する者
24年以上の実務経験を有する者で、大学※1において検定職種に関する科目※2について20単位以上修得し、卒業したもの
34年以上の実務経験を有する者で、キャリアコンサルタント試験※3の受験要件を満たすものとして厚生労働大臣が認定する講習を修了したもの又はこれと同等以上の講習を修了したもの
43年以上の実務経験を有する者で、大学院※4において検定職種に関する科目※2について8単位以上修得し、修了したもの
53年以上の実務経験を有する者で、キャリアコンサルタント試験※3に合格したもの又はキャリアコンサルタントであるもの※5
引用:キャリアコンサルティング協議会「キャリアコンサルティング技能検定受験資格」

※1大学には、課程が学校教育法による大学の学士課程と同等の教育水準であると独立行政法人大学改革支援・学位授与機構によって認定された大学及び学校教育法による大学と同等以上と認められる外国の学校を含む。

※2検定職種に関する科目とは、研究科や専攻の名称にとらわれず、心理学・教育学・社会学・経営学・社会福祉学・看護学・その他の人間科学及び人事・労務管理関連科目のうち、協議会が認めたものに限る

※3キャリアコンサルタント試験とは、職業能力開発促進法(昭和44年法律第64号)第30条の4に規定するキャリアコンサルタント試験をいう。

※4大学院には、学校教育法による大学院の他、課程が学校教育法による大学院と同等の教育水準であると独立行政法人大学改革支援・学位授与機構が認定した大学院及び学校教育法による大学院と同等以上と認められる外国の学校を含む。

※5キャリアコンサルタントであるものとは、職業能力開発促進法第30条の3に規定するキャリアコンサルタントであるものをいう。

上記5つの受験資格の中で最も多いのは「キャリアコンサルタント資格合格&3年以上の実務経験」となっており、第27回試験では受験生の約51.6%がこの要件で2級技能士に挑戦しています。

その次に多かった受験資格は「5年以上の実務経験」となっており、第27回試験では約44.4%を占めており、標準レベル資格を取らずに技能士試験に挑戦している方も多いようです。

キャリアコンサルティング技能士取得のメリットについて

キャリアコンサルティング技能士は国家資格ではなく、キャリアコンサルタントを名乗るために必須の資格ではありません。

それでは、キャリコン技能士2級を取得することはどんなメリットがあるのでしょうか。

キャリアコンサルティング技能士は知識や技能の証明になる

先述したように、キャリアコンサルティング技能士は国家資格キャリアコンサルタントより上位の資格に位置付けられており、技能士1級は指導者レベル、技能士2級は熟練レベルとされています。

資格・技能検定レベル基準難易度
キャリアコンサルティング技能士1級 指導者レベルかなり難しい
キャリアコンサルティング技能士2級熟練レベル難しい
キャリアコンサルタント国家資格標準レベル普通
キャリアコンサルタント資格とキャリアコンサルティング技能士の求められるレベル

そのため、キャリアコンサルタントとして差別化して活躍の幅を広げていくためには、技能士の合格による知識・技能の証明が手段の一つとして考えられます。

キャリアコンサルタント更新講習が免除(合格後5年以内)

キャリアコンサルタント国家資格名簿に登録後、キャリアコンサルティング技能士(2級・1級)に合格した方は、合格後5年以内に行う更新講習が免除となります。

キャリアコンサルタントは合格後5年ごとに更新を行う必要がありますが、その際に必要な更新講習が免除になるということです。

個人的には、更新講習が免除となるメリットはかなり大きいと感じており、「キャリコン資格を持っていて3年以上の実務経験がある」方は挑戦する価値があると考えています。

参照:キャリアコンサルタントWEBサイト登録センター「よくあるご質問」

キャリアコンサルティング技能士は有効期限がない

キャリアコンサルティング技能士には、実は有効期限がありません。

そのため、キャリアコンサルタント資格と違い更新講習などを受ける必要がなく、一度合格すればいつでもキャリアコンサルティング技能士を名乗ることが可能です。

参照:キャリアコンサルティング協議会「よくある質問・FAQ」

キャリアコンサルティング技能士2級の難易度まとめ

キャリアコンサルティング技能士2級の試験は、実務経験が3年以上ある方でないと受けられないにも関わらず、実技試験の合格率が20%を下回っており、取得難易度の高い資格といえます。

私自身、2度の不合格を経て技能士2級の合格をすることが出来ましたが、振り返ってみると「対策講座などを受けて体系的にキャリアコンサルティングを学べばよかったな」と考えています。

独学で合格を目指すことも可能ですが、不安がある方や一発合格を狙いたい方、もしくは「不合格になってどうやって次回試験の対策をすればよいか分からない」という方は、受験対策講座を探してみるといいかもしれません。

キャリアコンサルタントとして活躍するためには自己研鑚は必須ですが、その一つとしてキャリアコンサルティング技能士2級の取得を目指すのは王道といえます。

受験資格を満たしている方は、是非キャリアコンサルティング技能士2級に挑戦してみましょう!

この記事の筆者
キャリアコンサルタント
パオ助

介護業界専門の転職エージェントで両面型担当者として勤務後、今はマーケティングとキャリアコンサルタントを両立中。
キャリアコンサルタントとして、人材業界や介護業界についての情報を発信中!転職エージェントや人材派遣会社で勤めている方々全員に「キャリアコンサルタント」の資格を取得してもらうのが夢。
資格取得の難易度や、おすすめのキャリアコンサルタント養成講座の情報等を発信していきます!
Twitterでは緩めの発信をしているので、よければフォローしてください。
 
【保持資格】
・独学で国家資格キャリアコンサルタント1発合格!
・2級キャリアコンサルティング技能士も独学で合格。
・その他保持資格:衛生管理者、個人情報保護士
 
【好きなカウンセリング技法】
・来談者中心カウンセリング
(パーソンセンタード・アプローチ)
 
記事監修の実績はコチラ

パオ助をフォローする
キャリアコンサルタント
シェアする