キャリアコンサルタントは2016年に国家資格となった資格で、人材派遣会社や人材紹介会社をはじめ、大学のキャリアセンターや企業の人事部門など、幅広い分野での活躍が期待されています。
一般的には、キャリアコンサルタント養成講座に通って学習をした上で試験に望むのが一般的ですが、中には「講座費用を浮かせるため独学で合格したい」と考えている人もいるハズです。
本記事では、養成講座に通わず独学でキャリアコンサルタント資格を取得する方法や、独学に役立つ書籍等について解説していきます。
私自身、養成講座に通わずにキャリアコンサルタント資格を取得しましたが、受験のためには一定の条件を満たす必要が有ります。
この記事では独学で資格取得する流れや学習方法、注意点について解説していきます。
▽合格率も比較可能なキャリコン養成講座のオススメをまとめました!
キャリアコンサルタント試験は独学で受験可能?受験資格について解説!
キャリアコンサルタントの試験を受けるには、以下のいずれかの受験資格を満たす必要が有ります。
キャリアコンサルタント試験の受験資格
- 厚生労働大臣が認定する講習の課程を修了した者(※養成講座)
- 労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力開発及び向上のいずれかに関する相談に関し3年以上の経験を有する者(※実務経験3年)
- 技能検定キャリアコンサルティング職種の学科試験又は実技試験に合格した者
- 上記の項目と同等以上の能力を有する
上記をみると様々な受験資格があるように感じますが、キャリアコンサルタント国家資格の受験をされる方の大半は上記の「1」の「養成講座を修了」という受験資格で受験をします。
第18回キャリアコンサルタント試験では、学科試験受験者の約90.6%(受験者4,652人中4,218人)が「養成講座修了」の受験資格で試験を受けています。
「実務経験3年」があれば、養成講座に通わなくてもOK!
しかし、「2」の受験資格にあるように、実務経験が3 年以上あれば養成講座を修了していなくても試験を受けることが可能です。
逆に言えば、実務経験が無い方は基本的に養成講座を修了しなければキャリアコンサルタント試験を受けることはできません。
その場合は、「資格取得前に実務経験を積む」、もしくは「養成講座を修了する」のどちらかを経てキャリコン試験に臨むことになります。
キャリコン独学受験の場合に必要な実務経験とは
キャリアコンサルタント養成講座を受講しなくても、実務経験さえあれば受験をすることは可能です。
では、受験資格として必要な「実務経験」とはどのようなものでしょうか?
キャリアコンサルティングの実務に従事していたか否かは、以下のいずれも適合するかどうかという考え方を基準に個別に判断されます。
転職エージェントのキャリアアドバイザーとして勤務していた方や、ハローワークの就職相談員として働いている方は上記基準に適合しやすいと思います。
ですが、あくまでも「個別での判断」になるため、自身の業務が上記の実務経験に当てはまるかどうか不安な方は、指定登録機関にお問い合わせを行いましょう。
実務経験が3年以上ある方は、養成講座を受講せずに受験が可能なのですね!養成講座の費用は実施機関によっても異なりますが、30~50万円ほど必要になるのでここが浮くとなると金銭面的には助かりますね!
キャリアコンサルタントは独学で合格可能か?難易度について解説!
キャリアコンサルタント資格は、独学でも合格可能なのでしょうか?
結論からお伝えすると、合格は可能です。しかし、養成講座を修了した方と比較すると、独学の場合は合格難易度が上がってしまうようです。
独学合格は難しい?キャリコン国家試験の合格率について解説!
キャリアコンサルタント試験は「学科試験」「実技試験」の2科目で構成されています。「学科試験」「実技試験」を同時受験した場合の合格率は40~60%を推移しており、合格率だけを見ると比較的取得難易度の易しい国家資格となっています。
また、第18回の試験では、学科・実技同時受験者の合格率が60.1%と非常に高い数字となっていることからも、国家資格としては取得難易度の高くない資格といえます。
養成講座修了生の方が有利?受験資格別の合格率について
上述の合格率は、受験生全体を見た場合の結果であり、受験資格別に見ると下記のようになります。
第24回キャリコン学科試験の合格率
受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
---|---|---|---|
養成講座修了 | 3,822人 | 2,086人 | 54.6% |
実務経験受験者 | 444人 | 158人 | 35.6% |
上記は第24回キャリコン試験の学科試験合格率の比較表です。
これを見ると、受験者の合格率の方が養成講座修了生に比べて合格率が低いことが分かります。
第24回キャリコン実技試験の合格率
受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
---|---|---|---|
養成講座修了 | 4,507人 | 3,049人 | 67.7% |
実務経験受験者 | 520人 | 247人 | 47.5% |
上表は第24回キャリアコンサルタント試験の実技試験合格率の比較表です。実技試験においても学科試験同様に、「実務経験受験者」の合格率は養成講座修了生と比較すると、著しく低い合格率であることが分かります。
養成講座修了者の方が合格率が高い
上記を見ると、学科試験・実技試験ともに独学で受験を行った方(実務経験受験者)よりも、養成講座修了の受験資格で臨んだ方の方が10ポイント以上高い合格率で突破していることが分かります。
では、なぜ実務経験豊富(少なくても3年以上)な受験生より、養成講座を修了した方の方が合格率が高いのでしょうか?
キャリコン養成講座の修了生の方が合格率が高い理由
養成講座修了者の合格率が高い要因として、キャリアコンサルタント養成講座では150時間に及ぶカリキュラム(下図参照)で「キャリアコンサルタントとしての基本」を学ぶのに対し、実務経験受験者は実務の経験があっても必ずしも体系的にキャリア理論を学んでいる訳では無いからです。
科目 | 範囲 | 時間数 |
キャリアコンサルティングの社会的意義 | ・社会及び経済の動向並びにキャリア形成支援の必要性の理解 ・キャリアコンサルティングの役割の理解 | 2 |
キャリアコンサルティングを行うために必要な知識 | ・キャリアに関する理論 ・カウンセリングに関する理論 ・職業能力の開発(リカレント教育を含む。)の知識 ・企業におけるキャリア形成支援の知識 ・労働市場の知識 ・労働政策及び労働関係法令並びに社会保障制度の知識 ・学校教育制度及びキャリア教育の知識 ・メンタルヘルスの知識 ・中高年齢期を展望するライフステージ及び発達課題の識 ・人生の転機の知識 ・個人の多様な特性の知識 | 35 |
キャリアコンサルティングを行うために必要な技能 | ・基本的な技能 -カウンセリングの技能 -グループアプローチの技能 -キャリアシートの作成指導及び活用の技能 -相談過程全体の進行の管理に関する技能 ・相談過程において必要な技能 -相談場面の設定 -自己理解の支援 -仕事の理解の支援 -自己啓発の支援 -意思決定の支援 -方策の実行の支援 -新たな仕事への適応の支援 -相談過程の総括 | 76 |
キャリアコンサルタントの倫理と行動 | ・キャリア形成及びキャリアコンサルティングに関する教育並びに普及活動 ・環境への働きかけの認識及び実践 ・ネットワークの認識及び実践 -ネットワークの重要性の認識及び形成 -専門機関への紹介及び専門家への照会 ・自己研鑽及びキャリアコンサルティングに関する指導を受ける必要性の認識 ・キャリアコンサルタントとしての倫理と姿勢 | 27 |
その他 | ・その他キャリアコンサルティングに関する科目 | 10 |
合計 | 150 |
養成講座の修了生は上記のカリキュラムに沿って基本を学ぶのに対し、独学の受験生は実務で得る知識や経験には偏りがあることも多く、そのため、実務経験受験者は合格率がやや低くなっています。
キャリアコンサルタント試験の合格基準について
キャリアコンサルタント試験の合格基準は下記のように設定されています。
試験区分 | 出題形式 | 試験時間 | 合格基準 |
学科試験 | 筆記試験 | 100分 | 100点満点で70点以上 |
試験区分 | 区分詳細 | 出題形式 | 試験時間 | 合格基準 |
実技試験 | 論述試験 | 記述式 | 50分 | 実技試験全体で150点満点で90点以上 (論述試験で満点の40%が必要) |
試験区分 | 区分詳細 | 出題形式 | 試験時間 | 合格基準 |
実技試験 | 面接試験 | ロールプレイ | 20分 | 実技試験全体で150点満点で90点以上 (各評価項目で満点の40%が必要) |
特に実技試験では
- 論述試験が満点の40%以上
- 面接試験の評価区分「主訴・問題の把握」「具体的展開」「傾聴」のいずれにおいても満点の40%以上
という基準を満たす必要があり、「弱点を対策する必要」があります。
そのため、自分自身の長所を伸ばす以上に、「弱点を自覚して改善すること」が合格には必要となり、自分一人では学習が困難なポイントとなっています。
先述したように、実務経験の中で得られる経験や知識には偏りが生じることも多く、試験における弱点が克服されづらい傾向にあるようです。そのため、「実務経験3年以上」という受験資格の方よりも、養成講座を修了した方の方が合格率が高くなっています。
キャリアコンサルタント資格取得の難易度についてアンケート!
キャリアコンサルタント試験の合格難易度について、Twitterでアンケートを行いましたのでご紹介させていただきます。
キャリアコンサルタント受験の経験ある方に質問です!
— パオ助🐘正直キャリコン (@paopao_career) January 13, 2022
「キャリコン資格の取得難易度は?」
アンケートの結果としては、54件の投票結果に対し、「標準的」と回答した方が約半分(48.1%)を占める結果となりました。
難易度 | 回答率 |
---|---|
簡単 | 24.1% |
標準的 | 48.1% |
難しい | 27.8% |
これを見ると、やはり受験生の感覚としても、そこまで取得難易度の高い資格ではないことが分かりますが、「難しい」と回答している方も27.8%いることから、より確実に合格を目指すためには養成講座に通うことを検討することも選択肢のひとつとして考えられます。
独学でキャリアコンサルタント試験を受験するメリット・デメリット
キャリアコンサルタント試験の合格率で見ると、養成講座を修了した方がより確実に資格取得が目指せることがわかりました。
では、養成講座を受講せずに独学で受験することによるメリットはあるのでしょうか?
ここでは独学で合格を目指す場合のメリット・デメリットを解説します。
独学のメリット①:30万円以上の養成講座費用が浮く
養成講座を受講するには、実施機関によって違いはあるものの概ね30~50万円の費用が必要となります。
専門実践教育訓練給付金の手続きを行えば、50~70%が戻ってきますが、それでも高額な受験料には違い有りません。
独学の場合はこの費用が浮くというのが、個人的にもっとも大きなメリットだと感じています。
独学のメリット②:時間の有効活用が可能
二つ目のメリットは、養成講座にいかないことで時間の有効活用が出来ることです。
養成講座に通う場合、決まった時間数の講座を受講し、課題をこなす必要があります。
現在はオンライン講座も普及しつつあるため、「教室まで通う」という手間はかなり少なくなっているようですが、それでも、養成講座を修了するためには定められたカリキュラムをこなす必要があります。
「定められたカリキュラム」は養成講座のメリットでも有りますが、既に自分自身の強みと弱みが分かっている受験生にとっては、養成講座に通う時間そのものが負担になってしまいます。
独学でも自身の弱点を克服するための学習ができる方にとっては、養成講座に通う必要性は薄いと言えます。
また、キャリアコンサルタント資格取得を目指す方の大半は社会人のため、普段の仕事が忙しければ養成講座に通わず独学で合格を目指す方が効率的な場合もあると思われます。
独学のデメリット①:ロールプレイ試験の練習が困難
独学でキャリコン合格を目指す場合の最もデメリットとして、「ロールプレイ試験の練習が難しい」ことが挙げられます。
キャリアコンサルタントの実技試験には、実際の相談場面を想定した「ロールプレイ試験」があります。
ロールプレイ試験は実技試験のひとつで、15分の限られた時間で相談者役の方と実際の相談場面のロープレを行い、残りの5 分間で面接官からの口頭試問に回答するという試験です。
言うまでもなく、ロープレ試験の練習は一人では困難です。
養成講座では授業のなかでロールプレイを通した学習がある上、同じ志を持った養成講座仲間と講座外で繋がって練習することも可能ですが、独学の場合はロールプレイの練習相手を探すことが難しくなってしまいます。
そのため、独学では「ロールプレイ試験の練習が難しい」ということがデメリットのひとつとして挙げられます。
私も独学受験だったので、ロープレ練習を行う際は非常に苦労しました。
周囲にキャリコン受験仲間はいなかったので、ひたすら一人でイメトレをしたり、本業の転職エージェント業務を通してカウンセリング理論を実践していました。
ですが、一人だと練習そのものが上手くいっているのか否かが分からず、フィードバックを受けることが出来ずにとても困り、こんなことなら養成講座に通っておけばよかったと密かに感じておりました。
独学のデメリット②:キャリコン仲間との繋がりが作りづらい
独学受験のデメリットの2つ目として、「キャリアコンサルタント仲間との繋がりが作りづらい」ということが挙げられます。
キャリアコンサルタント養成講座では、当然のことながら資格取得を目指す方と同じ講座を受けることになります。
年齢や業種は様々ですが、同じ志を持った方が集い、養成講座を修了してからも繋がりを持つケースも多いそうです。
キャリアコンサルタント業界はまだまだ発展途上で、キャリアコンサルティングの普及のために試行錯誤をしていく必要がありますが、そのための横の繋がりを持てるというのは、養成講座を受けるメリットのひとつと言えます。
独学の場合は上記のメリットを享受できないため、デメリットとしてあげさせていただきました。
正直、これは個人的な感情ですが、キャリアコンサルタント養成講座に通っている方同士が、ロープレ練習や合格祝い等を通して交流している様を見て、非常に羨ましい気持ちになりました。
キャリコンはまだまだ発展途上の業界のため、養成講座仲間で繋がるというのは大きな意味を持つと考えています。
▽合格率も比較可能なキャリコン養成講座のオススメをまとめました!
独学にオススメの書籍と勉強方法について
最後に独学受験に役立つオススメ書籍やサイトを使った勉強方法をご紹介させていただきます。
私が受験した際に役立ったものや、「もっと早く知っていればよかった!」というものまで記載いたしますので、ご自身にあったものや興味があるものをお探しください。
キャリコン学科試験対策の独学にオススメの書籍・サイト4選
キャリアコンサルタント資格を取得するには、学科試験で100点中70点を獲得する必要が有ります。
ここでは、学科試験対策にオススメの書籍やサイトをご紹介していきます。
キャリアカウンセリング
初学者にオススメなのは、宮城まり子さんの「キャリアカウンセリング」です。
こちらはキャリアコンサルタントに少し興味を持ち始めた方や、キャリアアドバイザーの専門的スキルを高めたいと考えている方に最初に読んで欲しい1冊です。
初心者でも分かりやすい内容となっていて、キャリア理論やカウンセリング技法の紹介を通して「キャリアカウンセリングの世界」を解説してくれる書籍となっています。
私自身、キャリアコンサルタントの資格取得を志すきっかけとなった本で、今でもモチベーションが下がった時には開きたくなる1冊です。
キャリアコンサルティング理論と実際
学科試験対策で絶対に抑えておきたい1冊は「キャリアコンサルティング理論と実際」です。
これはキャリアコンサルタントを目指す方にとってはバイブルとも言える一冊で、キャリアコンサルティングに関する諸理論や、実際のキャリアコンサルティング場面での技法やツールについて解説してくれる書籍となります。
正直なところ、これ1冊を最初から完璧に理解できる人はいないんじゃないかと思うほど密度が濃い一冊になっています。
専門用語も多く出てくるため、正直、理解するための難易度は高く、教科書的な使用方法が適切だと個人的には感じています。
試験勉強だけでなく、実際のキャリアコンサルティングの際にも、常に手元に置いておきたい本です。
キャリアコンサルタントのための労働法と社会保障のしくみ
実務経験がある方でも、法律関係のことをしっかりと理解している方は少ないのではないでしょうか。
「キャリアコンサルタントのための労働法と社会保障のしくみ」では、キャリアコンサルタントの実務を行う上で必要な、最低限の労働関係法令や社会保障のしくみについて学ぶことができます。
学科試験対策だけではなく、実技試験にも使える内容になっており、もちろん実際のキャリアコンサルティングの場面でも活躍する知識を得ることが出来る1冊です。
みんなで合格(書籍&WEBサイト)
学科試験対策で最後にご紹介したいのが、「みんなで合格」です。
こちらは私自身の受験の際に大変お世話になったサイトで、ジャンル別の一問一答が掲載されているだけでなく、過去問の解説まで載っているWEBサイトです。
私が独学でキャリコン試験に合格できたのは、コチラのサイトのお陰だといっても過言ではありません!
また、私の受験時にはなかったのですが、みんなで合格が本になって出版されています!
こちらの「国家資格キャリアコンサルタント学科試験 テキスト&問題集」は学科試験突破を目指す方にとってはこの上なく強い味方になると思います。
確実に合格したい方は必見の1冊です。
キャリコン論述試験(実技試験)の独学にオススメの書籍
実技試験のひとつである論述試験は、個人的に試験対策をし辛い科目のひとつです。
私の受験時には参考書と呼べるものは殆どなかったのですが、現在は対策に使える本が出版されているのでご紹介いたします。
国家資格キャリアコンサルタント実技(論述・面接)合格ガイド
私のオススメは「国家資格キャリアコンサルタント実技(論述・面接)合格ガイド」です。
こちらはタイトル通り、論述試験だけでなく面接試験(ロールプレイ試験)にも使える1冊です。
論述試験の詳しい解説や解答例がついているので分かりやすく、試験の形式にも慣れることが出来るため、試験勉強にはぴったりの本になっています。
ロープレ試験(実技試験)の独学にオススメの書籍4選
ロープレ試験(面接試験)は実際の相談場面を想定した試験です。
単純な試験対策なら上述の「国家資格キャリアコンサルタント実技(論述・面接)合格ガイド」がオススメですが、ここでは試験対策だけではなく「実際の相談場面で活躍する本」についてご紹介いたします。
マイクロカウンセリング技法-事例場面から学ぶ
ロールプレイ試験対策で最もオススメなのが「マイクロカウンセリング技法-事例場面から学ぶ」がです。
マイクロカウンセリングはカウンセリングにおけるアプローチのひとつで、カウンセリングの基本モデルのひとつです。
実際の相談場面を細かく分解して、それぞれの各技法について学ぶことで、相談場面で必要なコミュニケーションを習得することが可能になります。
カウンセリングの技法
続いてのオススメは「カウンセリングの技法」です。
こちらは國分康孝さんの著作で、カウンセリング技法を体系的に説明してくれる上、実際の相談場面を通してカウンセラーに求められる態度などを分かりやすく学べる1冊です。
キャリアコンサルタントを目指す方のなかでも、相談場面でのカウンセリングを重視したい方には特にオススメの 1冊です。
ロジャーズの中核三条件 一致:カウンセリングの本質を考える 1
最後にご紹介するのは「ロジャーズの中核三条件 一致:カウンセリングの本質を考える 1 」です。
これはカール・ロジャーズの提唱した来談者中心カウンセリング中核3条件の1つである「一致」について、これでもかと深堀をした1冊です。
複数の実践家が、様々な角度から一致についての考察を行うことで、間違って理解されやすい中核3条件について正しく学ぶことを助けてくれる1冊です。
こちらはシリーズになっていて、中核3条件の残りの二つである「受容」「共感的理解」について解説されたものもあるので、そちらもオススメです!
問いかける技術 ― 確かな人間関係と優れた組織をつくる
カウンセリングの方を覚え、傾聴のスキルを学んだ方のなかには、「もっとコンサルティング的なスキルを学びたい!」と考える方も多いのではないでしょうか。
ときには傾聴のみでクライアントの問題が解決することもありますが、人材紹介会社に勤めていた私は、よりスピーディーに問題解決ができるようなスキルを身につけたいと考えるようになりました。
そんな時に出会ったのがこの「問いかける技術」です。
学科試験でも頻出、キャリアアンカーでおなじみの「エドガー・シャイン」さんの著書で、大学教授として勤めつつ様々な企業のコンサルティングを行ってきた著者の「コミュニケーションの原則」が学べる1冊です。
助言を上回る効果を持つ「謙虚な問いかけ」の技術について書かれており、キャリアコンサルティングにも通ずる内容でした。
キャリアコンサルタント試験はもとより、個人的にはキャリアコンサルティング技能士2級の試験で大活躍しました。
ほかにもエドガー・シャインの「謙虚なコンサルティング」「人を助けるとはどういうことか」等、キャリアコンサルタントとして活躍するために役立つ本はたくさんありますが、 「問いかける技術」 が最も分かりやすく、読みやすかったので「キャリコン試験対策にオススメ」とさせていただきます。
キャリアコンサルタントに関するよくある質問
ここではキャリアコンサルタント試験に関するよくある質問をまとめています。
- Qキャリアコンサルタントは独学でも合格できる?
- A
独学で合格を目指すことは可能ですが、キャリアコンサルタント養成講座を受講しない場合は一定の条件を満たす必要があります。
また、キャリアコンサルタント養成講座を未受講の受験生の合格率は低くなっていることにも注意が必要です。
- Qキャリアコンサルタント試験の難易度は?
- A
キャリアコンサルタント試験は国家資格の中では比較的簡単で、合格率は50~60%程度を推移しています。しかし、キャリアコンサルタント養成講座を未受講の方の合格率は、より低くなる傾向があります。
- Q独学の場合の勉強方法は?
- A
独学でキャリコン合格を目指す場合は、主に書籍やWEBサイトを用いて学習することになります。おすすめ勉強方法は本記事内で紹介していますので、是非ご確認ください。
独学でキャリアコンサルタント試験合格を目指す方へ
キャリアコンサルタント資格の取得は決して難しく有りませんが、独学で行う場合は「学習方法はこれで合っているのかな?」と不安になることが多いと思います。
ですが、キャリアコンサルタント資格は年に複数回実施される上に科目合格もあるので、諦めなければきっと合格出来るはずです。
さらには、試験対策を通して「どんなキャリアコンサルタントになりたいのか?」「そのために何を学べば良いのか?」を知っていただくキッカケになれれば嬉しいです。