介護職の夜勤について、以下のような疑問を持っている方は多いのでないでしょうか?
- 介護職は夜勤なしでも働ける?
- 夜勤なしのメリットやデメリットは?
- 介護職は夜勤ありとなしはどちらがいい?
「介護職に興味はあるけど夜勤をするのはちょっと不安」「家庭の都合で夜勤は難しいけど雇ってもらえるの?」など、さまざまな思いを持っている方もいるでしょう。
本記事では、介護職が夜勤なしで働く方法や介護夜勤の現状や課題などを、現役介護職の目線で解説します。
介護職で夜勤なしで働きたい方や、介護夜勤について詳しく知りたい方は、ぜひ本記事を参考にしてください。
介護職が夜勤なしで働ける職場はある?
介護職は、夜勤ができなくても働けます。ただし、夜勤ができないことで採用されにくかったり、夜勤手当がもらえず給料が低くなったりする場合はあります。
体力的な不安という方や子育て中の方などは、どうしても夜勤をするのが難しいケースもあるでしょう。
介護職が働く職場の中には、夜勤がないところもありますし、夜勤はあるものの、昼間に人が足りていないという理由から、日勤のみできる人を募集している施設もあります。
今は夜勤なしで働きたいけど将来的には夜勤をしようと考えている方であれば、まずは日勤のみで働いて、仕事に慣れてきたら夜勤をしてみるという働き方もできます。
夜勤ができないから介護職として働けないというわけではないので、自分に合った働き方ができる職場を見つけましょう。
介護職が夜勤なしで働ける職場の種類
介護職が夜勤なしで働ける職場は、主に以下の3つです。
夜勤がない代表的な介護施設
- 訪問介護
- デイサービス
- デイケア
それぞれの施設の特徴を紹介するので、夜勤なしの職場を選ぶ際の参考にしてください。
訪問介護
訪問介護は、ご利用者の自宅に訪問し、できるだけ自分の家で日常生活が送れるようサポートする仕事です。
サポート内容は、主に以下の2種類です。
サポートの種類 | 内容詳細 |
---|---|
生活援助 | ・洗濯や掃除 ・調理や食事の提供 ・日用品の買い出し |
身体介護 | ・排泄介助 ・入浴介助 ・食事介助 |
訪問介護は、30分から1時間単位でサービスを提供するため、ちょっとした隙間時間に仕事をしたい人でも働きやすい環境です。
子育て中の方であれば、子どもが幼稚園や学校などに行っている午前中のみ働くことも可能です。
基本的に訪問介護は、日中のみのサービス提供ですが、なかには24時間対応で介護サービスを提供している事業所もあるので、事前に確認しておきましょう。
デイサービス
デイサービスは、正式名称「通所介護」といわれる介護サービスで、自宅からデイサービス施設に通っているご利用者に対して、以下のようなサービスを提供します。
デイサービスのサービス内容
- 食事や排泄、入浴のサポート
- 機能訓練
- レクリエーション
サービス提供時間は、朝の9時から夕方4時や5時くらいまでで、夜間のサービス提供はないため夜勤もありません。
また日曜日や祝日、年末年始などは休みの施設も多いため、夜勤なしで平日のみ働きたい方にもおすすめです。
ご利用者も特別養護老人ホームのような入所系の施設で生活する方に比べると、自分で動ける方も多く、体力的な負担も多くないのが特徴です。
デイケア
デイケアの正式名称は「通所リハビリテーション」で、デイサービスと同様に日帰りで介護サービスを提供します。
デイサービスと異なるのは、介護サービスだけでなく、できるだけ自宅で自立した生活が送れるよう、身体機能の維持や回復などを目的としたリハビリが受けられることです。
PTやOT等の専門のリハビリ職員が対応してくれるため、身体機能の維持や向上を目指すご利用者が主な対象者です。
デイケアもデイサービスと同様に、日中のみサービスを提供しているため、夜勤はありません。日勤のみ夜勤なしで働きたい方は、デイケアへの転職を検討するといいでしょう。
介護職で夜勤なしという働き方
介護職で夜勤なしという働き方には、先述のような夜勤のない施設で働く以外にも、さまざまな選択肢があります。
夜勤がある施設でも、以下のような雇用形態で夜勤なしという働き方が出来る可能性が高いでしょう。
夜勤なしで働く場合の雇用形態
- パートとして働く
- 派遣社員として働く
- 正社員でも相談してみる
それぞれの具体的な内容を見ていきましょう。
パートとして働く
夜勤がある施設で正社員での採用を目指すのであれば、夜勤をするのが条件という場合があります。
しかし、パートであれば働く時間や曜日など自分の希望で働きやすいため、夜勤なしで働きたい場合はパートで働くといいでしょう。
今は子どもが小さいので夜勤は難しい方でも、子育てが一段楽したら夜勤をしてみようと思うかもしれません。
まずは夜勤なしのパートから始めて、仕事に慣れて生活環境も変われば、夜勤に挑戦してみてもいいでしょう。
派遣社員として働く
派遣社員とは、直接介護施設に雇用されて働くわけではなく、派遣会社に雇われ介護施設に派遣される形で仕事をする働き方です。
雇用主はあくまで派遣会社なので、夜勤なしの条件で契約すれば、どこの介護施設に派遣されても日勤のみで働けます。
派遣はパートよりも時給が高く、さまざまな施設を経験できるメリットがあります。
ただし、定められた雇用期間があり同じ施設で長期間働くのは難しいため、派遣として働いて自分に合う職場があれば、直接雇用で正社員になる「正社員登用制度」を利用しましょう。
正社員でも相談してみる
夜勤がある施設で正社員として働く場合は、夜勤ができないと採用されない可能性があります。
ただ必ずしも、夜勤ができないから正社員はできないというわけではないため、面接時に夜勤なしで働けるかどうか相談してみましょう。
今は夜勤をできなくても、将来的に夜勤はしたいという方であれば、日勤のみの正社員として雇ってもらえる場合もあります。
夜勤手当がない分、給料は少なくなりますが、正社員で働きたいけど夜勤はできないという方は、相談することで自分に合った働き方ができるかもしれません。
介護職が夜勤なしで働くメリット
介護職が夜勤をしないことで、さまざまなメリットがあります。介護職が夜勤なしで働くメリットは、以下の5つです。
介護職が夜勤なしで働くメリット
- 生活リズムが安定する
- 夜勤するよりも体力的負担が少ない
- 資格の勉強がしやすい
- 家事や育児と両立しやすい
- 長く介護の仕事を続けられる
体力面や生活環境を考慮しながら、自分に合った働き方を選ぶ際の参考にしてください。それぞれの詳しい内容を見ていきましょう。
生活リズムが安定する
夜勤をする介護職は、早番や遅番、夜勤などさまざまな勤務スケジュールで働くため、生活リズムが乱れやすいです。
しかし、夜勤なしの介護職であれば日勤のみで働けるため、生活リズムが安定しやすいというメリットがあります。
日勤のみ平日勤務であれば、朝から夕方までの勤務で、一般の会社員と同じような勤務時間で働けます。子育てが忙しい方であれば、週に3日、朝から昼過ぎまでの短時間勤務という働き方も可能です。
夜勤がないことで、夜はしっかり眠れるのは、夜勤をしている介護職と比べると大きなメリットと言えます。
夜勤するよりも体力的負担が少ない
介護職の夜勤の多くは「ロング夜勤」といわれており、16時間勤務が主流です。そのため、夜勤をすることでかなり体力的に負担がかかります。
また「ワンオペ夜勤」といわれる、ひとりで夜勤を行う場合は、休憩時間をまともに取れないといった場合もあり、体力的にかなりハードです。
日勤のみであれば長くても8時間労働で済みますし、生活リズムも安定するため、体力的にも夜勤をするよりは軽くなります。
体力的な面で夜勤をするのが不安という方は、自分の体調と相談しながら、まずは夜勤なしで働いてみるといいでしょう。
資格の勉強がしやすい
夜勤なしで働けば生活リズムが安定するため、自分の時間を確保しやすくなるでしょう。介護職の場合は、働きながら資格の勉強をする方が多くいます。
夜勤をすると長時間労働に疲れてしまい、せっかくの休日も疲れを取るためだけに時間を使ってしまう可能性があります。
日勤のみであれば、時間が固定されるため、出勤前や出勤後に必ず1時間勉強するというスケジュールを習慣化しやすいでしょう。
今は資格の勉強を頑張りたいという方は、夜勤なしという働き方が向いているかもしれません。
家事や育児と両立しやすい
介護職で夜勤なし日勤のみの働き方であれば、家事や育児など家庭のことと両立しやすいというメリットがあります。
とくに子育てをする場合は、夜勤をしていると朝学校に行く子どもを見送れなかったり、夕方から出勤したりすることで、子どもに寂しい思いをさせる可能性があります。
パートナーや親族の協力を得られればいいですが、家のことや子どものことはできれば自分でしたいという方もいるでしょう。
しっかりと家のことと仕事を両立したいという方は、夜勤なしで介護職をするのがおすすめです。
長く介護の仕事を続けられる
夜勤なしの介護職は、夜勤をする場合に比べて体力的な負担が少なく、長く健康に働けるメリットがあります。
また、夜勤は体力的な負担だけでなく、「夜間ご利用者に何かあったらどうしよう?」という不安な気持ちを抱えながら働くストレスも大きな負担です。
夜勤をすると不規則な生活リズムになり、体調を崩しやすくなる可能性もあるため、健康的に長く働けなくなる恐れもあります。
心身の健康を保ち健康的に介護の仕事を続けたい場合は、夜勤なしの働き方がおすすめです。
介護職が夜勤なしで働くデメリット
一方、介護職が夜勤なしで働くと、以下のようなデメリットがあります。
介護職が夜勤なしで働くデメリット
- 夜勤手当がもらえない
- 正社員として働きにくい
それぞれ詳しい内容を解説するので、デメリットを把握した上で夜勤なしの働き方を選びましょう。
夜勤手当がもらえない
介護職が夜勤をすると、夜勤手当がもらえます。夜勤なしの場合は、夜勤手当がもらえない分、給料も夜勤をする人よりは低くなるでしょう。
夜勤手当の金額は職場によって異なりますが、夜勤1回につきおよそ5,000円〜1万円ほどの手当がもらえます。
仮にほかの職員が、夜勤手当1回5,000円で、月に4回夜勤をしている場合は、夜勤なしの職員よりも2万円ほど給料が高い計算です。
少しでも給料を上げたい方は、夜勤ありの介護職をしたほういいでしょう。
正社員として働きにくい
以下のような生活入所系の介護施設で、正社員として働きたい場合は、夜勤なしだと働けない可能性があります。
夜勤に必要な職員の数は、事業所の規模によって異なりますが、毎日5人ほどの夜勤者が必要な施設もあります。
そのため、施設長等の管理者は正社員の場合夜勤ができることを前提に採用し、夜勤ができる職員を多く配置したいと考えています。
生活入所系で正社員の介護職をしたい場合は、夜勤ができる人のほうが働きやすいでしょう。
介護職で夜勤なしの場合は給料が低い?
介護職で夜勤なしの場合は、給料にどのような影響があるのか見ていきましょう。夜勤なしとありでは、平均収入にどれほどの差があるのでしょうか。
以下2つのパターン別に、平均給与の違いを解説します。
それぞれの平均給与を確認して、自分の希望条件にあった職場を探してみてください。
夜勤なしの職場の平均給与
今回は、厚生労働省が発表した「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」の調査から、夜勤がない施設で働く介護職員の平均給与をもとに、夜勤なしの職場の平均給与を見ていきましょう。
施設形態 | 平均給与(月給) |
---|---|
訪問介護 | 315,170円 |
通所介護(デイサービス) | 275,620円 |
通所リハビリテーション(デイケア) | 304,790円 |
訪問介護は時給単価が高い傾向になるため、フルタイムで働けば夜勤をしなくても30万以上は稼げます。
デイサービスやデイケアは、やや給与は下がるものの、夜勤なしでも30万前後は稼げることがわかります。
夜勤ありの職場の平均給与
こちらも、厚生労働省が発表した「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」の調査をもとに、夜勤がある施設で働く介護職員の平均給与をもとに、夜勤ありの職場の平均給与を見ていきましょう。
施設形態 | 平均給与(月給) |
---|---|
介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム) | 343,040円 |
介護老人保健施設 | 339,040円 |
特定施設入居者生活介護(有料老人ホーム) | 313,920円 |
介護老人福祉施設の場合は、夜勤がないデイサービスと比べると、7万円ほど平均給与が高い結果となっています。
やはり給与を求める場合は、夜勤をするほうが稼ぎやすいのは間違いないようです。
介護職が夜勤なしでも条件のいい職場に転職する方法
介護職が夜勤なしでも条件のいい職場に転職する方法は、以下の5つです。
夜勤なしでも条件のいい職場へ転職する方法
- 希望する条件を確認する
- 自分の強みを言語化できるようにする
- 職場見学して施設の雰囲気を確認する
- 複数の求人に応募して比較する
- 転職エージェントを有効活用する
それぞれ具体的な方法を解説するので、転職を成功させたい方は参考にしてください。
希望する条件を確認する
理想の転職先を見つける際は、まず自分の希望する条件を確認しましょう。たとえば、以下のような項目に対して、自分の言葉で言語化できるようにしておくことが大切です。
条件項目 | 希望条件 |
給与 | 月30万円以上 |
雇用形態 | 正社員 |
月の平均残業時間 | 10時間以下 |
通勤時間 | 30分以内 |
資格取得支援制度 | 資格取得支援の費用全額補助あり |
希望条件を考える中で、もっとも優先する条件も確認しておきましょう。
給与を最優先に考えている場合、通勤時間が40分でも、給与が月30万以上であれば働きたいという、自分の考えを整理しておくことが大切です。
自分の強みを言語化できるようにする
いい職場を見つけて採用されるためには、自分の強みを面接時にアピールできることが大切です。
そのため、面接前に自分の強みを言語化し、面接当日スムーズに伝えられるようにしておきましょう。
今回は夜勤なしでの転職を目指すために、日勤のみでも採用したいと思ってもらえることが必要です。
日勤業務は夜間と違い、ご利用者とコミュニケーションをとる機会が多いため、笑顔やコミュニケーション力など、人柄をアピールできるといいでしょう。
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職場見学して施設の雰囲気を確認する
いい職場を見つけるためには、必ず職場見学して実際の雰囲気を確かめましょう。
いい職場を100%見極めるのは難しいですが、以下のような特徴があればいい職場の可能性が高いです。
逆に、上記のようなことと反対の様子が見られるようであれば、あまりいい環境とはいえないでしょう。
複数の求人に応募して比較する
ひとつの職場にだけ応募して、いい職場に出会える可能性は低いでしょう。そのため、転職をする際は、複数の求人に応募して職場の雰囲気や条件面などを比較することが大切です。
給料は良くても職場が遠いと通勤が大変ですし、条件面は良くても職場の雰囲気が悪いと、気分良く働けないでしょう。
複数の求人に応募し職場を比較することで、それぞれの強みや弱みが見えてきます。優先する条件に沿って、自分に合った職場を見つけましょう。
転職エージェントを有効活用する
いい職場を見つけるためには、自分ひとりの力だけでは限界があります。そのため、介護職に特化した転職エージェントを有効活用し、さまざまな職場の情報を集めましょう。
転職エージェントを活用するメリットは、以下のとおりです。
- 条件面を伝えれば代わりに職場を探してくれる
- 自分では見つけられない非公開求人を紹介してもらえる
- 履歴書添削や面接同行などのサポートが受けられる
- 給与や就業時間など条件面の交渉を代わりにしてくれる
- 人間関係をはじめとした職場の内部情報を教えてもらえる
介護職におすすめの転職エージェントについては、以下の記事で紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
介護職は夜勤ありとなしはどちらがいいの?経験者の声を紹介
介護職は夜勤ありとなしではどちらがいいのでしょうか。
今回は、私が一緒に働いた経験のある以下3名の介護職の方々の話をもとに、夜勤ありとなしそれぞれの魅力に迫っていきましょう。
実際の介護現場で働いている方へインタビュー!
- デイサービスにて夜勤なしで働く正社員40代女性
- グループホームにて夜勤ありで働く正社員30代男性
- 有料老人ホームにて夜勤なしで働くパート30代女性
それぞれの方の詳しい体験談を見ていきましょう。
デイサービスにて夜勤なしで働く正社員40代女性
(介護福祉士)
デイサービスは夜勤がありませんが、働き方の魅力は何ですか?
40代女性
8時半から17時半の勤務で固定されているので、生活リズムが安定しているのが魅力だと思います。
日曜日と祝日は必ず休みになるので、スケジュール管理もしやすいです。子どもが小学生で、日曜日は必ず母親がいるという安心感にもつながっていると思います。
上記のように、デイサービスは勤務時間や休日が固定されているため、プライベートとのバランスが取りやすい点がメリットと言えるでしょう。
グループホームにて夜勤ありで働く正社員30代男性
(介護福祉士)
グループホームで月に6〜8回ほど夜勤をしていますが、働き方の魅力は何ですか?
30代男性
夜勤自体は16時間勤務でひとり夜勤なので大変ですが、夜勤明けの翌日が必ず休みになるので、昼間の自由な時間が増えるのが魅力だと思います。
あとは、夜勤手当が1回8,000円なので、毎月5万円ほどの手当をもらえるのはありがたいですね。
グループホームはひとり夜勤(ワンオペ夜勤)の施設が多いため、夜勤の負担は大きいようです。ただし、夜勤が多い分、給与が高くなるのは大きなメリットです。
有料老人ホームにて夜勤なしで働くパート30代女性
(介護福祉士)
有料老人ホームで9時〜15時勤務ですが、働き方の魅力は何ですか?
30代女性
私はパートなので、平日のみの時短勤務で、家庭の都合に合わせた働き方ができています。
小学生の子どもが2人いるので、子どもが帰ってくる時間に合わせて退勤できるのも魅力だと思います。今は夜勤なしで働いていますが、子どもの成長に合わせて将来的には夜勤をしようと考えています。
パートであれば曜日固定や時短勤務なども可能で、家庭の都合に合わせた働き方が可能です。夜勤もなく正社員に比べると業務負担も少ないため、子育てや家事などと両立したい方におすすめの働き方です。
介護夜勤の現状と課題
続いて、以下のような「介護夜勤の現状と課題」についても触れていきます。
介護夜勤の現状と課題
- 長時間労働による心身への負担が大きい
- ワンオペ夜勤の場合は休憩がとれないこともある
- 一部の職員のみで夜勤を回している
- 欠員が出た場合勤務が大きく崩れる
- 緊急時の対応マニュアルが定められていないケースがある
介護夜勤について、あらためて考えるきっかけになる内容になっているので、ぜひ参考にしてください。
長時間労働による心身への負担が大きい
介護夜勤には、以下2つの働き方があります。
ロング夜勤は2日分の勤務で、明けの翌日が休みになりますが、長時間労働で心身への負担は大きいです。
一方ショート夜勤は、勤務時間自体は短いですが、夜勤明けが休日扱いになるため、休みが少ないように感じるデメリットがあります。
介護職は夜勤をしなければいけない仕事ですが、心身への負担は大きいため、自分の体調に合わせた働き方をするのが大切です。
ワンオペ夜勤の場合は休憩が取れないこともある
ひとり夜勤、いわゆるワンオペ夜勤の場合は、ひとりで業務をしているため、ご利用者の状態によっては休憩が取れないこともあります。
日本介護クラフトユニオンの調査でも、グループホームのワンオペ夜勤の場合は、およそ8割の介護職が、休憩をあまり取れていない、またはまったく取れていないと回答しています。
ワンオペ夜勤は休憩が取れる仕組みにするか廃止するかで議論が繰り広げられていますが、いまだに結論が出ていない状況です。
一部の職員のみで夜勤を回している
夜勤ができる職員が少なく、一部の職員に夜勤業務が偏っている施設もあります。なかには月に10回近く夜勤をする職員もいて、心身への負担が不安視されています。
また夜勤ができる職員が少ないと、欠勤が出た場合に、代わりの職員がいないという事態に陥るかもしれません。
すべての職員が日勤と夜勤をバランスよくできれば、勤務を組みやすく、業務負担を分散できます。
夜勤ができる職員を増やすためには、長時間労働の解消や休憩が取れる環境の改善などが必要になってくるでしょう。
欠員が出た場合勤務が大きく崩れる
介護夜勤の多くは16時間夜勤で、2日分の勤務扱いです。そのため、万が一欠員が出た場合は、勤務を大きく組み直さなければいけません。
最近では新型の感染症が流行した際に、複数の欠勤者が出たことで、夜勤者の確保が困難なケースがありました。
最悪の場合、日勤をした職員がそのまま夜勤もしなければ、対応できないこともあります。
現場の夜勤では夜勤者が欠勤した場合の対応が大変なため、長時間夜勤の廃止や、夜勤ができる職員の確保などが必要になってくるでしょう。
緊急時の対応マニュアルが定められていないケースがある
夜勤中にご利用者の急変があった際は、家族や主治医への連絡をすみやかに行い、適切な対応をしなければいけません。
しかし、施設によっては緊急時の対応マニュアルが定められていないケースもあり、ご利用者に急変があってもスムーズに対応できない恐れがあります。
介護施設の管理者は、介護職が安心して夜勤業務を行えるよう、緊急時の対応マニュアルを定めて周知しなければいけません。
また、夜勤者が少しでも負担なく夜勤ができるよう、休憩が取れる環境やスケジュール管理なども求められるでしょう。
介護夜勤に関するよくある質問
最後に、介護職における夜勤についてよくある質問について回答させていただきます。
夜勤シフトに入るのか、もしくは日勤のみの仕事をするか検討する上で参考にしておきましょう。
- Q介護夜勤は身体によくないですか?
- A
人間は本来、夜になれば眠くなるような身体の仕組みをしています。そのため、夜中に働くのは。身体にいいとは言えません。
ただ介護職をするのであれば、夜勤業務は避けては通れないのが現状です。夜勤をすれば夜勤手当が支給されるので、稼ぐためには、夜勤をしたいという人もいるでしょう。
夜勤中はこまめに休憩を取りながら、無理をしないことが大切です。また、夜勤前後は適度に仮眠を取り体調管理を行った上で、夜勤に臨むようにしましょう。
- Q介護夜勤は月に平均何回ありますか?
- A
夜勤ができる職員が一定数確保できているのであれば、月に4〜5回ほど夜勤をする場合が多いでしょう。夜勤専従という働き方もあり、月に10回夜勤のみを行う方もいます。
夜勤の回数は、施設の人手不足や夜勤ができる職員の人数によって変わってきます。そのため、夜勤の回数が気になる方は、入社前に月に何回夜勤をすることになるか確認しましょう。
月に5回までといった希望がある場合は、希望通りになるかわかりませんが、事前に相談しておきましょう。
介護夜勤をする際は、自分の体力や家庭環境を考慮してもらい、無理のない働き方をすることが大切です。
- Q介護職の夜勤中に休憩をとれますか?
- A
シフト上は休憩時間が設定されている場合でも、夜勤の人数によっては休憩が取れないことがあります。たとえば、ワンオペ夜勤といわれるひとり夜勤の場合は、ご利用者の状況によって休憩が取れないケースもあるでしょう。
複数の職員で夜勤をする場合は、お互いに協力して休憩を回せるため、緊急対応のようなアクシデントがない限りは、確実に休憩は取れます。
休憩時間については事業所によって異なりますが、ほとんどの施設で1時間〜2時間の休憩時間を設けています。
夜勤中は常に仕事があるわけではないため、休憩時間以外にもご利用者が眠っているのであれば、こまめに休憩を取れるでしょう。
介護職として夜勤なしで働く方法まとめ
今回は、夜勤なしで働きたい介護職の方々に向けて「夜勤なしで介護職として働く方法」を紹介しました。
介護職は、夜勤のない施設で働いたり、パートや派遣などの働き方を選択したりすることで、夜勤なしでも働けます。
正社員の場合でも、面接時に夜勤がない働き方が可能かどうか相談することで。採用される場合もあるでしょう。
夜勤なしで介護職をしたい方は、本記事の「介護職が夜勤なしでも条件のいい職場に転職する方法」を参考に、自分に合った職場を見つけてください。