近年、個人情報保護の重要度の高まりと個人情報保護法の整備・改正に伴い、個人情報を適切に取り扱うことが出来る人材の需要が高まっています。
そんな中で注目されているのが「個人情報保護士」です。本記事では個人情報保護士になる方法や試験の難易度について解説していきます。
個人情報保護士とは
個人情報保護士とは、全日本情報学習振興協会が主催する「個人情報保護士認定試験」の合格者のことです。合格者は個人情報の有効活用や適切や管理が出来る人材と認定されます。
個人情報の漏えいや不適切な取り扱いが社会的に大きな問題になる中で、個人情報保護マネジメントシステムの構築に力を入れる企業が増えてきており、需要が高まっている資格の一つとなっています。
個人情報保護士になるには
個人情報保護士になるには、認定試験に合格する必要があります。ここでは、個人情報保護士認定試験について解説していきます。
個人情報保護士認定試験について
個人情報保護士認定試験は、「課題Ⅰ:個人情報保護の総論」「課題Ⅱ:個人情報保護の対策と情報セキュリティ」の2つの科目で構成されています。
課題Ⅰでは主に個人情報保護法やマイナンバー法を中心とした法律知識を求められ、課題Ⅱでは個人情報を適切に管理・保護するための対策に関する知識を求められます。
試験日程について
試験は年に4回開催となっており、万が一不合格となってもすぐに再挑戦が出来るので、比較的合格が容易な試験となっています。
試験実施日 | |
第67回 | 令和4年6月19日(日) ※申込期間:2月18日(金)~5月23日(月) |
第68回 | 令和4年9月25日(日) ※申込期間:5月26日(木)~8月25日(木) |
第69回 | 令和4年12月11日(日) ※申込期間:8月30日(火)~11月4日(金) |
第70回 | 令和5年3月12日(日) ※申込期間:11月8日(火)~2月2日(木) |
試験時間は10:00~12:45となっており、長丁場なうえに途中退出が出来ないため注意が必要です。
また、試験後は試験当日に試験機関から回答速報が発表されるため、自身の解答内容をしっかり控えておきましょう。
オンライン受験で全国どこでも挑戦可能
個人情報保護士の認定試験は全国の試験会場で受験が可能なうえ、オンライン受験も可能です。
その際は試験協会が指定のWEBカメラが必要ですが、レンタルすることも可能(配送手数料のみ負担)なため、全国どこでも試験に挑戦することが出来ます。
おすすめの勉強方法
個人情報保護士の試験に合格するためには、「個人情報保護法」「マイナンバー法」といった法律関連の知識を学ぶ必要があるほか、情報セキュリティ対策の基礎知識を得る必要があります。
法律の勉強が苦ではない方や、実務に携わったことがある方にとっては難しい試験ではありませんが、それ以外の方はしっかり対策をする必要があります。
確実に合格を目指す場合
より確実に個人情報保護士認定試験の合格を目指す場合、オンライン講座の受講をすることがオススメです。オンライン学習なら時間や場所を選ばずに試験対策を行うことが可能なので、仕事をしつつ合格を目指す方に最適です。
特にオススメなのが「スタディングの個人情報保護士講座」です。仕事が忙しい方でもスキマ時間に学習しやすいように、動画講座に加えて基本問題・過去問題集が用意されており、無駄のない最適な学習カリキュラムが用意されています。
講座料金は15,180円とかなりの低価格になっており、何度も受験するよりもスタディングの講座に申し込んで一発合格を目指すのがオススメです。
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独学で合格を目指す場合
個人情報保護士は試験範囲がそこまで広くないため、試験対策講座などを受講せずに市販の書籍を利用して独学で合格することも可能です。
しかし、個人情報保護士の認定試験は1回の受験に11,000円(税込み)かかる資格のため、金銭的な負担を抑えるには出来るだけ1度の受験で合格したいところです。
独学の場合は「受験料+書籍代」のみの費用負担で資格取得が可能ですが、一発で合格できなかった場合はその分負担が大きくなるので注意が必要です。
おすすめの書籍①「個人情報保護士認定試験公式テキスト」
独学で個人情報保護士試験の合格を目指す場合、絶対に購入したいのが「個人情報保護士認定試験公式テキスト」です。
その名の通り試験団体である「全日本情報学習振興協会」の認定テキストとなっており、試験範囲を無駄なく学ぶことが出来る1冊となっています。
おすすめの書籍②「個人情報保護士認定試験 公式過去問題集」
もう一つのオススメ書籍は個人情報保護士認定試験 公式過去問題集」です。
単純な過去問題集ではなく、回答解説が詳しくされているため、この一冊だけでも試験対策を行うことが可能となっています。
個人情報保護士は更新が必要
個人情報保護士の資格は有効期限が有ります。個人情報に関する法律の改正や情報セキュリティ経の対策などは年月と共に変化していくため、定期的に更新講習を受けることで情報を更新していく必要があります。
オンラインでの講習会を年1回受講することで、2年間後に新たな認定カードが届く仕組みとなっています(有効期限2年間)。
また、定期講習を4年間、4回受講を続けることで「個人情報保護士 上級」の資格が付与されるため、知識を更新し続けているベテランの証明となります。
個人情報保護士認定試験の難易度を解説
結論からお伝えすると、個人情報保護士の試験はそこまで難しくありません。
個人情報保護士認定試験では「個人情報保護法」「マイナンバー法」といった主に2つの法律を扱いますが、複雑な判例等は登場しないため、そこまで応用が必要な問題はありません。
そのため、初心者でも一発合格を狙うことが可能な試験といえます。実務経験がある方であれば、さらに合格は容易といえます。
合格率は37.3%
個人情報保護士の認定試験合格率は37.3%(過去の平均合格率)となっています。この数字だけを見ると半分以上の方が不合格となる難関試験といえます。
しかし、受験生の多くはそこまで多くの学習時間を費やしているわけではなく、結果的に合格率が低くなっています。
合格者の学習時間は?
全国情報学習振興協会では、合格者に対して学習時間のアンケートを行いました。
結果としては、合格者のうち、10時間~20時間の学習時間が27%、20時間~50時間が55%となりました(合計77%)。つまり、20時間以上を試験対策に費やすことができれば、より高い確率合格を目指すことが可能といえます。
このように、合格率は低いものの必要な学習時間がかなり短いことから、個人情報保護士認定試験の合格難易度は決して高くないといえます。
上級個人情報保護士になるには
個人情報保護士に合格した方のなかには「もっと専門的な知識を身に付けたい」「より法的な実践力を身に付けたい」と考えている方にオススメなのが「上級個人情報保護士」です。
個人情報漏洩事故の多発や個人情報利用のグローバル化、マイナンバー利用推進等を行う上で、より高い知識を認定しているのが「上級個人情報保護士」です。
個人情報保護士の合格者限定の講座(弁護士が講師)を2日間受講・修了することで認定を受けることが出来ます。
ただし、講座費用は49,500円とかなり高額なので、個人情報保護・情報セキュリティの実務に携わっている方や会社が受講費用の負担をしてくれる方でなければ、受講はオススメではありません。
個人情報保護士は就職に有利なのか
結論からお伝えすると、個人情報保護士の資格を持っていても、就職・転職に特別に有利になるわけではありません。
理由としては、個人情報保護士は国家資格ではなく、独占業務などを持っていないためです。独占業務を持っていないので、「個人情報保護士でないとできない仕事」は法律上ありません。
しかし、コンプライアンスを担当する部門や情報セキュリティ強化に力をいれている企業では、求人のなかで「あると望ましい資格」として個人情報保護士の資格を挙げている会社が多くあるようです。
そのため、個人情報保護・情報セキュリティ強化の実務に携わりたいと考えている方にとっては、取得がオススメの資格となっています。
個人情報保護士についてのまとめ
個人情報保護士の資格は、個人情報の漏洩を防いだり情報セキュリティの強化を図るうえでとても役に立つ知識を得られる資格です。
資格取得の難易度も高くないため、個人情報に関わる実務に挑戦したい方には特にオススメの資格です。
ただし、合格率は37.3%と意外に低くなっているので、より確実に合格を目指したい方はオンライン講座などで対策を行うことがオススメです。
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