心理カウンセラーは悩みや不安を持つ相談者の気持ちに寄り添い、課題解決を支援する人気の仕事です。
心理カウンセラーという職業に興味を持っている人の中には「心理カウンセラーになるにはどうしたらいい?」「心理カウンセラーは資格必須?」といった疑問を感じているという方も多いのではないでしょうか。
本記事では、心理カウンセラーになるための方法や必要な資格について、わかりやすく解説していきます。
そもそも心理カウンセラーとは?
心理カウンセラーとは、認知行動療法や傾聴など心理学にもとづく専門的な知識・技術を用いて、心の悩みやストレスの解決をサポートする”心の専門家”です。
ストレス社会とも呼ばれる現代社会において、心理カウンセラーの需要は様々な場所で高まっています。
活躍の場は、医療機関の精神科・心療内科にとどまらず、学校や企業、裁判所、各種福祉施設など、様々な場所に広がっています。
心理カウンセラーになるために資格は必要?
心理カウンセラーになるために資格は必須ではありません。ただし資格取得のメリットが多いことから、大半の心理カウンセラーが何らかの関連資格を取得しています。
関連資格には下記のようなものがあります。
心理カウンセラー関連資格
- 臨床心理士
- 公認心理師
- NLP関連資格(NLPプラクティショナー、NLPマスター等)
- メンタル心理カウンセラー
- メンタルケアカウンセラー
- キャリアカウンセラー(キャリアコンサルタント国家資格)
- チャイルドカウンセラー
心理学を活用するカウンセラー資格は非常に種類が多いですが、得られるスキルや知識を考え、取得する資格を検討するとよいでしょう。ただし、通信講座のみで取得できる資格は参入障壁が低く、就職にはあまり役に立たないケースも有るので、注意しておきましょう。
前述の通り、資格を取得すると以下のようにメリットが多く、心理カウンセラーになるためには基本的に資格は取得しておくことが推奨されます。
心理カウンセラー資格を取得するメリット
- 資格取得を目指す中で、心理カウンセラーとして必要な知識・技術が身につく
- クライエント(相談者)からの信頼が得られる
- 求職活動が有利になる
心理カウンセラーとして、悩みを抱える相談者の正しい線が出来るようになるためには、積極的に資格取得を目指すとよいでしょう。
臨床心理士や公認心理師との違いは?
心理カウンセラーの関連資格のなかでも、特に権威性・知名度が高い臨床心理士と公認心理師ですが、違いは何でしょうか。
まず仕事内容に関しては、それほど大きな違いはありません。どちらもクライエントの心の悩みに対するカウンセリングなどが業務内容に含まれます。
2つの資格の違いは下記の通りです。
公認心理師と臨床心理士の違い一覧
- 臨床心理士は民間資格、公認心理師は国家資格
- 臨床心理士は5年毎に更新が必要、公認心理師は更新制度なし
- 臨床心理士は研究・調査活動が業務に含まれる、公認心理師は情報発信が業務に含まれる
- 臨床心理士の目的は自己実現のお手伝い、公認心理師は心の健康の保持増進のサポート
上記の通り、資格の認定機関や更新の有無、目的などが違っています。
心理カウンセラーになるにあたってどちらの資格も取得難易度は高いですが、その分社会的な信頼性が高く、権威性のある資格です。
病院や公的機関におけるカウンセラー求人には公認心理師もしくは臨床心理士の資格を必須とするものが多く、取得することで活躍する場所を広げられる資格といえます。
心理カウンセラーにはどんな人が向いている?
心理カウンセラーは、心の悩みやストレスを抱えるクライエントとの”対話”が多い仕事です。その点も含めて、以下のような素養を持っている人に向いていると言えるでしょう。
心理カウンセラーに向いている人の特徴
- コミュニケーション能力が高い(クライエントとの対話・多職種との連携が多い)
- 責任感がある向上心がある(日々新たな知識・技術の習得を怠ってはいけない)
- 正しい倫理観を持っている秘密をしっかりと守れる(患者さんの悩みを他人に漏らすのは絶対にNG)
ただし現段階で、「自分は向いていないかもしれない、、、」と感じた人でも、カウンセラーに必要な知識やスキルを学ぶことで、成長することが可能です。
キャリアを考える上では、向き不向きよりも、「自分がどうなりたいか」「これから何がしたいか」といった部分を重視する方がよいでしょう。
心理カウンセラーになるには?難易度別に紹介
ここでは、心理カウンセラーになる方法について難易度別に紹介していきます。
前提として、心理カウンセラーは資格必須ではないので、名乗ろうと思えば誰でも名乗れます。しかし、心理カウンセラーとしてしっかり収入を得ていくためには、資格取得を含む以下のようなフローを踏む必要があります。
難易度別の心理カウンセラーになる方法
- 臨床心理士や公認心理師の資格を取得する:難易度は高い
- 通信講座で取れる資格を取得する:難易度は低い
- 心理カウンセラーアシスタントのアルバイトで実戦経験を積む:難易度は低い
臨床心理士や公認心理師の資格を取得する│難易度は高い
臨床心理士や公認心理士の資格は、権威性が高く働き先の見つけやすさやクライエントからの信頼度の高さ、収入の安定性など多くの取得メリットがあります。
ただしその分取得難易度も高くそれぞれ以下のような工程を踏んで取得する必要があります。
臨床心理士資格取得までの代表的な簡単な流れ
- 日本臨床心理士会が指定する大学院を終了する。
- 必要な場合は、1年~2年以上の心理臨床の実務経験を積む。
- 臨床心理士試験を受験し合格する。
公認心理師資格取得までの代表的な簡単な流れ
- 公認心理師に必要なカリキュラムのある大学を卒業する
- 2年以上の実務経験を積む、もしくはカリキュラムのある大学院を終了する
- 公認心理師国家試験に合格する
臨床心理士、公認心理師ともに大学で必要な単位を修了する等の受験要件を満たしたうえで、資格試験に合格する必要もあります。資格試験は難易度も高く、しっかりと準備をして臨む必要があります。
通信講座で取れる資格を取得する│難易度は低い
民間のスクールや通信講座を使って取れる、心理カウンセラー関連資格もあります。
前述の臨床心理士や公認心理師に比べて取得難易度は大幅に低いです。
また、大学や大学院に通う学費に比べても大幅にコストを抑えられる点もメリットと言えるでしょう。以下のような資格があります。
通信講座で取れる心理カウンセラー資格
- メンタル心理カウンセラー
- メンタルケアカウンセラー
- チャイルドカウンセラー
比較的簡単に資格を取得できる反面、資格そのものの権威性は低く、求人要件として求められる点には注意しておきましょう。
心理カウンセラーアシスタントのアルバイトで実戦経験を積む│難易度は低い
資格取得以外にも、まずは心理カウンセラーのアシスタントとしてアルバイト等で実戦経験を積むという選択肢もあります。
無資格・未経験の方を対象とした心理カウンセラーの求人も複数あります。また、オンラインでクライエントとお話しするオンラインカウンセラーや電話で話し相手となる「話し相手サービス」の求人も無資格・未経験でも応募可能な場合が多いです。
実際の現場で経験を積みながら、資格取得を目指していくのも良いでしょう。
心理カウンセラーの資格一覧|種類別の違いまで紹介
ここでは、心理カウンセラーの関連資格について、概要や種類別の違いを紹介していきます。
心理カウンセラーに関する資格一覧
- 公認心理師(国家資格)
- 臨床心理士(民間資格だが権威性が高い資格)
- NLPプラクティショナー
- NLPマスタープラクティショナー
- NLPトレーナー
- メンタル心理カウンセラー
- メンタルケアカウンセラー
- キャリアカウンセラー(国家資格キャリアコンサルタント)
- チャイルドカウンセラー
心理カウンセラー資格は非常に多くの種類がありますが、それぞれ特徴が全く違います。以下に詳しく解説していきます。
公認心理師(国家資格)
公認心理師とは、心理に関する日本で唯一の国家資格で、2017年に施行された公認心理士法によって定められました。
主な仕事内容としては、他の心理カウンセラー資格と大きな違いはありません。心の悩みや不安を抱えるクライエントに対してカウンセリングを行い、解決を目指します。
また、公認心理師はカウンセリングに加えて、心の病気や健康に関する情報発信も業務内容に含まれています。正しいメンタルケアの方法やストレスへの対処法を広く世に広め、啓蒙活動をすることが業務に含まれているのです。
公認心理師取得のメリットは前述の通り、権威性が高くクライエントからの信頼につながりやすい点や就職先・収入が安定しやすい点が挙げられます。
一方で大学・大学院に通う必要があり、取得難易度は比較的に高いと言えます。
臨床心理士(民間資格だが権威性高い)
臨床心理士とは、心の問題に対し、心理学の観点から解決支援する心理系専門職です。
よく国家資格だと思われがちですが、日本臨床心理士資格認定協会が認定する”民間資格”です。
数ある心理カウンセラー関連資格の中でも、最も知名度の高い資格のひとつです。
公認心理師と同じく、権威性や知名度の高い資格で取得メリットは多いです。
一方で、指定の大学院を終了すること、入念な準備を要する資格試験もあり、取得難易度は比較的に高い資格です。
NLP関連資格
NLPとは、Neuro Linguistic Programing(神経言語プログラミング)の略で、近年開発された最新の心理学です。
思考や行動のパターン分析から、より良い思考・行動パターンを構築する手法や対人関係をより良好にするために必要なコミュニケーションスキル、目標達成に必要な思考法などについて体系的に学びます。NLPは、心理学でありながら、言語学、心理療法でもあると言われています。
最新の研究から、様々な場面に対する高い有効性が認められており、臨床心理の現場に限らず世界的な一流のビジネスシーンやスポーツにも活用されています。
そんなNLPには以下の代表的な資格が存在しています。
NLP関連資格の種類
- NLPプラクティショナー
- NLPマスタープラクティショナー
- NLPトレーナー
上記は「NLPプラクティショナー」資格から順番に取得していく仕組みとなっています。
NLPは非常に実践的なスキルのため、身に付けることでカウンセリングやセラピーだけではなく、日常やビジネスにも使えるので、心理学スキルに興味がある人におすすめの資格です。
NLPプラクティショナー
NLPプラクティショナーは、NLPの入門資格的な位置づけで、基礎知識や根本的な考え方について学びます。
10日間程度スクールに通って講座を受講することで、資格が取得可能です。
講座内では、NLPトレーナーによる講義や受講生同士でのグループワークを通じて、NLPの知識・スキルを学ぶことができます。
NLPマスタープラクティショナー
NLPマスタープラクティショナーは、前述のNLPプラクティショナー資格を持っていれば取得可能です。よりハイレベルなスキルの習得や学んだスキルをどのように応用するかといった内容が学べます。
NLPの技術を用いたプレゼンテーションスキルについて学ぶことができるのも特徴です。
前述のNLPプラクティショナー資格同様に、10日間程度スクールに通って講座を受講することで、資格が取得可能です。
NLPトレーナー
NLPトレーナーは、前述のNLPマスタープラクティショナー資格を持っていれば取得可能です。NLPトレーナー資格を取得することにより、自身でNLP講座を開催することや資格発行を行うことができるようになります。
NLPトレーナー講座では、これまで学んだスキルや知識を、これから新たにNLPを学ぶ受講生たちに対し、どのように指導するかという部分に焦点があてられています。
スクールで6~20日間の講座を受講し、資格試験に合格することでNLPトレーナーとして認定されます。
メンタル心理カウンセラー
メンタル心理カウンセラーとは、最短2ヶ月で取得可能な心理カウンセラー資格です。
正式名称は、「JADP認定 メンタル心理カウンセラー」で、在宅でも取得可能なその手軽さからも人気の資格です。
臨床心理士や公認心理師カリキュラムのある大学で4年間かけて学ぶ内容のうち、特に必要だとされる学びに厳選することで、現場で必要な知識・スキルを効率良く習得します。
関連のカリキュラム修了後に、自宅可能な受験可能な試験に合格することで資格を取得することができます。
資格取得の手軽さや費用面が魅力です。一方で臨床心理士や公認心理師に比べると権威性や信頼度では劣ります。
>メンタル心理カウンセラーを含むオススメカウンセリング資格の比較はこちら
メンタルケアカウンセラー
メンタルケアカウンセラーとは、日本学術会議協力学術研究団体 メンタルケア学術学会が認定する、心理学に関連する資格です。メンタルケア学術学会の他、生涯学習開発財団、ヘルスケア産業推進財団も認定団体に含まれており、比較的に権威性のある資格です。
資格を取得することで、心理学に関する基礎知識やコミュニケーションの基礎的なスキルが証明されます。心理カウンセラーの資格としては、入門編的な資格として位置付けられています。
メンタルケア学術学会指定の講座を受講したうえで、レポート提出、修了認定テスト合格を経て資格を取得することができます。
取得までには3カ月程度(2~6ヶ月)、かかる費用は4万円程度です。心理カウンセラー資格のなかでは、比較的手軽に取得できる資格です。
より上位の資格に、メンタルケア心理士やメンタル心理専門士があります。
キャリアカウンセラー(キャリアコンサルタント資格)
キャリアカウンセラーとは、相談社のキャリア選択・形成を対話を通じてサポートする専門家です。キャリアカウンセラーの資格には、国家資格である「キャリアコンサルタント」があります。
キャリアカウンセラーの仕事内容は、主に人材紹介会社やハローワーク、大学のキャリアセンターでの転職活動支援やキャリア相談です。その他、企業内で従業員のキャリア形成支援も行う場合や、刑務所などの厚生施設における就職相談員、教育機関のスクールカウンセラー等、活躍のフィールドが非常に広いことが特徴です。
働く人のキャリア支援に特化した資格ではありますが、心理学の知識や「パーソンセンタード・アプローチ」等のカウンセリング技法を身に付けられるため、様々な場面で活用可能ンスキルを得られます。
厚生労働大臣が認定する講習(通称:キャリアコンサルタント養成講座)を修了することで国家試験に挑戦できるため、年齢や経験を問わず人気の資格となっています。
チャイルドカウンセラー
チャイルドカウンセラーとは、一般財団法人日本能力開発推進協会が認定する、児童の心理の専門資格です。チャイルドカウンセラーは、学校内で起こる、不登校やいじめ、暴力といったさまざまな問題に対し、心理学の知識・スキルを用いて対応するカウンセラーです。
チャイルドカウンセラー資格は、まず協会指定の講座を終了したうえで、試験に合格することで取得可能です。試験は在宅でも受験することができます。
学校現場で働く、活躍するために、他の心理カウンセラー資格と併せて、持っている方も多いです。
心理カウンセラーの資格の選び方は?
心理カウンセラー資格を選ぶうえで、まずは自分の状況やこれからどうなっていきたいかを改めて棚卸・整理する必要があります。
以下の表の通り、資格によって権威性や取得難易度が異なるので、状況に応じて選びましょう。
取得難易度 | 権威性・知名度 | |
臨床心理士 | 高い | 高い |
公認心理師 | 高い | 高い |
NLP関連資格 | 低い | 普通 |
メンタル心理カウンセラー | 低い | 普通 |
メンタルケアカウンセラー | 低い | 普通 |
キャリアコンサルタント | やや高い | 高い |
チャイルドカウンセラー | 低い | 普通 |
おすすめの心理カウンセラー資格は?
心理カウンセラーにおすすめの資格は、知名度や権威性が特に高い臨床心理士や公認心理師です。資格に対する信頼度が高く、就職先・収入の安定性など、他の資格に比べて取得メリットが多いです。
これから心理カウンセラーとして、働いていきたい、活躍していきたいと本気で考えている方、現在高校生の方などは、臨床心理士・公認心理師の取得を目指すのがおすすめです。
一方でこれらの資格は、大学や大学院に通う必要があり、現在主婦の方や社会人の方にとっては、ハードルが高いと言えます。そういった方で、これから心理カウンセラーとして活躍したいと考えている場合は、メンタル心理カウンセラーなど、比較的取得難易度の低い資格を取るのがおすすめです。
難易度の低い資格取得を目指しながら、並行して無資格・未経験で募集している心理カウンセラー求人に応募し、実戦経験を積んでみるのもよいでしょう。
心理カウンセラーの仕事内容は?職場別に紹介
ここでは、以下の職場別に心理カウンセラーの仕事内容を紹介していきます。新rカウンセラーの主な活躍場所は以下の通りです。
心理カウンセラーの主な活躍場所
- 医療福祉系の施設
- 学校
- 一般企業
- フリーランスのカウンセラー
それぞれ詳しく見ていきましょう。
医療福祉系の施設
医療福祉系の施設で活躍する心理カウンセラーの仕事内容は、主に患者や施設利用者の心の悩み・不安解消のサポートです。
医療機関では、精神科・心療内科を標榜するクリニックや病院に所属します。来院する患者に対して、医師と連携してサポートします。病院では入院する患者さんの心のケアをする場合もあります。
福祉施設では、高齢者介護施設や児童福祉施設に所属します。福祉施設ではまだまだ利用者の心の問題に対するサポート体制が十分ではないとされています。そのため、現在心理カウンセラーの需要が高まっています。高齢者や障がい、虐待を受けた児童などが持っている方の心の悩みに対して、対応します。
学校
学校での心理カウンセラーの仕事内容は、生徒の心の悩み・不安解消のサポートです。一般的に教育機関のカウンセラーは「スクールカウンセラー」と呼ばれ、生徒だけでなく、子育てに悩みをもった保護者のサポートも行う場合があります。
学校では、いじめや校内暴力、不登校など、心に起因する様々な問題が発生します。ストレスや悩みを抱える生徒に対し、カウンセリングを通じ心理面のサポートができるスクールカウンセラーの役割は重要です。
一般企業
一般企業にも心理カウンセラーの活躍の場は広がっています。
企業では、前述の医療福祉機関や学校現場以上に、心の悩み・ストレスに対するサポート体制が十分ではありません。従業員の悩みやメンタル面の不調を、カウンセリングを通じてサポートする心理カウンセラーの役割は重要です。
企業に常時在籍するのではなく、企業から外部人材として委託を受ける場合が多いです。
また、心理学の側面からストレスに対する対処法やメンタルの保ち方について、研修を行う場合もあります。
フリーランスのカウンセラー
フリーの心理カウンセラーとして、独立開業することも選択肢です。
心理カウンセラーとしてスキルを磨いて経験を積めば、カウンセリングルームを開き、独立をすることも可能です。また、中には書籍出版や研修講師として活躍する人もいます。
一方で、フリーランスのカウンセラーは自分で顧客の開拓をする必要もあります。心理カウンセラーとして安定して生計を立てるためには、現在の職場で実績・経験を積むことに加えて、開業後人一倍の努力が必要だと言えます。
心理カウンセラーの月給・年収はどれくらい?
ここでは、心理カウンセラーの月給・年収を紹介していきます。
取得する資格や職場によって収入は異なります。以下、それぞれ見ていきましょう。
資格別の心理カウンセラーの平均月給と年収
資格名 | 月給 | 年収 |
公認心理師 | 20万円~25万円 | 350万円~450万円 |
臨床心理士 | 20万円~25万円 | 300万円~400万円 |
精神保健福祉士 | 20万円~25万円 | 300万円~400万円 |
社会福祉士 | 20万円前後 | 300万円前後 |
産業カウンセラー | 15万円~20万円 | 200万円~400万円 |
参照:求人ボックス「臨床心理士の仕事の年収・時給・給料(求人統計データ)」
参照:公益財団法人社会福祉振興・試験センター「社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士の就労状況調査(令和2年度)結果報告書」
職場別の心理カウンセラーの平均年収
職場 | 平均年収 |
医療機関(病院・クリニック) | 400万円前後 |
学校 | 220~560万円 |
企業 | 300~400万円 |
独立開業 | ~1,000万円 ※人によっては1,000万円を超える場合も |
上記の通り、取得する資格や働き先の職場によって心理カウンセラーの収入はやや違いがあります。しかし、収入面は自身の努力や就職先次第でも大きく変わりますので、あくまで参考値として捉えてください。
心理カウンセラーに関するよくある質問
ここでは、心理カウンセラーの基礎知識・なり方に関するよくある質問をご紹介していきます。
心理カウンセラーの仕事はきついですか?
心理カウンセラーの仕事は、労働時間や肉体的にはきつくないと言われています。
一方で以下のような側面から精神的な大変さはあるようです。
- 相談者(クライエント)から暴言を受けて心が傷つく
- クライエントの心の悩みはセンシティブなため神経を使わなければいけない
- 決まった悩みを持つ患者はいないため、毎回工夫が必要で大変
- 世間からの印象が良くないときがある
- 非常勤雇用の求人が中心で収入がやや不安定
ただし、上記のようなネガティブな側面とは反対に、やりがいや楽しさを感じて働いている心理カウンセラーは多くいます。頼ってくれたクライエントの心の悩みが改善されること、クライエントとの対話の中で自身の成長も感じ取れることがやりがいにつながっている心理カウンセラーも多いです。
心理カウンセラーの就職先探しは大変ですか?
「心理カウンセラーは就職先がない」という話を聞いたことのある方も多いのではないでしょうか。実際に日本では、最近まで心理カウンセラーの仕事があまりない状況が続いていました。
しかし、現在ではその状況は改善され、求人数は大幅に増加しています。実際にデータで見ると、求人サイト「求人ボックス」上の心理士の求人数が2022年の1年間で約1.5倍程度増加しています。
心理カウンセラーの重要性が認められ、需要が高まっているのです。理由としては、新型コロナウイルスの蔓延により心の不調を訴える人が増えたこと、心理カウンセラーの働く場所が医療機関やスク―ルカウンセラーだけでなく、企業や福祉施設などまで広がったことが上げられます。
また、臨床心理士や公認心理師など権威性の高い資格を取得することで、就職先は安定性をさらに高めることもできます。
高卒で心理カウンセラーになるにはどうすればいいですか?
高卒社会人が心理カウンセラーになる場合は、未経験・無資格で働ける職場を探しましょう。採用されるかどうか不安を感じる場合は、比較的取得ハードルの低いメンタル心理カウンセラーやメンタルケアカウンセラーの資格を取得しておくのもおすすめです。
臨床心理士や公認心理師は大学に通うことからはじめなければいけませんので、ハードルは高いです。ただし、取得することによって得られる恩恵も大きいです。
心理カウンセラーの資格は意味ないって本当ですか?
心理カウンセラーの資格は、様々な理由から意味がないと言われる場合もあるようですが、そんなことはありません。取得する意味は十分にあります。
資格の取得メリットは以下の通りです。
- 就職先が安定する(資格を取ることで心理学に関する基礎知識を有している証明になる)
- 資格取得の勉強を通じて、基礎知識やスキルが身につけられる
実際、無資格・未経験募集という求人においても、複数応募者があった場合は有資格者が優先的に採用されるケースが多いようです。また、求人の多くが資格保有を条件としています。
心理カウンセラーは海外で働くことができますか?
心理カウンセラーは海外でも働くことができます。ただし海外で働いている方のほとんどが、現地で学び、現地の心理系資格を取得しています。
日本の心理資格がまったく意味ないかというとそうではありませんが、やはり現地で役に立つのは現地の心理資格です。
例えば、アメリカは州によって異なる心理資格がありますので、その州の大学で学び、資格取得を目指す必要があります。
心理カウンセラーになる方法まとめ
ここまで、心理カウンセラーの仕事内容や資格の種類、選び方、給与情報など網羅的に解説してきました。
心理カウンセラーになるには資格が必須ではありませんが、取得することで多くのメリットが得られます。
心理カウンセラー関連資格には様々な種類があります。それぞれ取得難度や得られるメリットに差があるので、現在の状況や今後どのようなキャリアを歩んでいきたいかという視点から判断を行うとよいでしょう。