職場のメンタルケアに対する関心の高まりに伴い、メンタルヘルス・マネジメント検定という資格が注目されています。メンタルヘルス・マネジメント検定は、上司や同僚、従業者自身がいかにストレスマネジメントを行い、生産性を上げ企業に貢献できる資格です。
本記事では、メンタルヘルス・マネジメント検定の資格取得難易度やや試験内容、勉強方法などを解説していきますので、資格取得を考えている人は是非ご確認下さい。
メンタルヘルス・マネジメント検定とは
メンタルヘルス・マネジメント検定とは、働く人たちの心の不調を未然に防ぎ、活力ある職場づくりを目指すために、職場での役割に応じて「メンタルケア」を学ぶ検定試験です。大阪商工会議所が主催している民間資格です。
参照:大阪商工会議所「メンタルヘルス・マネジメント検定とは」
メンタルヘルスは文字通り私たちの心の健康を意味します。世界保健機関(WHO)では、「自身の可能性を認識し、日常のストレスに対処でき、生産的かつ有益な仕事ができ、さらに自分が所属するコミュニティに貢献できる健康な状態」と定義されています。
公益社団法人日本看護協会「Mental Heals メンタルヘルス」
マネジメントは、企業の経営方針や目標を前提に、組織を運営することを意味する言葉です。つまり、メンタルヘルスマネジメントとは、企業の経営方針に添いつつも、従業員が日常のストレスに対処し、生産的かつ有益な仕事ができるよう組織を運営することをいいます。
メンタルヘルスの重要性の高まり
現代の日本ではメンタルヘルスに対する関心とニーズが高まっています。
厚生労働省が2021年に発表した労働安全衛生調査により、過去1年間にメンタルヘルス不調により連続1ヶ月以上休業、または復職した労働者のいた割合は10.1%で、前年比0.9ポイントの増加がみられたことがわかりました。
また、労働者の53.3%が仕事において「強いストレスとなる事柄がある」と回答しています。こうしたストレスについて、相談できる人がいると回答した人のうち上司や同僚に相談すると答えた人は70.2%でした。
参照:独立行政法人労働政策研究・研修機構「過去1年間にメンタルヘルス不調で1カ月以上休業・退職した労働者のいる事業所割合」
このことから、各事業所のストレスマネジメントがいかに重要で、職場内の人間関係が鍵を握っているかがわかります。
他のメンタルヘルス系資格との違い
メンタル・ヘルスマネジメント検定と類似の資格には、労働衛生コンサルタントや産業カウンセラー、EAPメンタルヘルスカウンセラーなどが挙げられます。
メンタル・ヘルスマネジメント検定は企業内部の人事・総務部門や管理職、従業員向けの資格です。一方で、他3つの資格は組織内部にある外部組織という位置付けであったり、完全に外部組織として企業に関わっていたりする点において違いがみられます。また、カウンセリング実施の有無や、国家資格か民間資格かなどの違いもみられます。
労働衛生コンサルタント(国家資格)
労働衛生コンサルタントとは、厚生労働大臣が認めた労働安全・労働衛生のスペシャリストとして、労働者の安全衛生水準の向上のため、事業場の診断・指導を行う国家資格です。
診断および指導の他に、労働安全衛生施作に関する相談や教育、講演、資料の提供などの業務を行っています。
メンタルヘルス・マネジメントが人事・総務部門、管理職、一般社員などの企業の内部の人間を対象とした資格なのに対し、労働衛生コンサルタントはあくまで組織外部の人間が取得する資格である点が異なります。
産業カウンセラー(民間資格)
産業カウンセラーとは、メンタルヘルス研修や企業へのアドバイス、ハラスメントへの対応など、労働者の抱える心理的問題を支援するための知識と技術を持つことを証明する民間資格です。一般社団法人日本産業カウンセラー協会が主催・認定しています。
産業カウンセラーは企業だけでなく、働く人のいる場であれば学校や役所などの公的機関、病院などの医療福祉施設においても活躍しています。
メンタルヘルス・マネジメント検定ではカウンセリングの実施法を学ばない一方で、産業カウンセラー資格では企業の従業員に対しカウンセリングを行う方法を学ぶ点が異なります。
EAPメンタルヘルスカウンセラー(民間資格)
EAPメンタルヘルスカウンセラーとは、EAP(従業員支援プログラム)に基づき、メンタル不調をきたす従業員のケアや、未然の予防を行う民間資格です。NPO法人であるEAPメンタルヘルスカウンセリング協会が認定しています。
EAPは厚生労働省が定める「労働者の心の健康の保持増進のための指針」の4項目のうちの1つである「事業場外支援によるケア」に含まれます。企業の人事部や総務部に在籍し社内EAP体制を構築し働く場合や、社外EAPサービスで活躍するケースなどがあります。
メンタルヘルス・マネジメント検定は役に立たない?
メンタルヘルス・マネジメント検定は、特定の状況においては役に立たない可能性があります。
例えば、転職活動の際に直接選考通過に役立つ資格ではありません。メンタルヘルス・マネジメント検定は実務経験を保証できるものではないことが理由に挙げられます。
民間資格であり誰でも受験可能
メンタルヘルス・マネジメント検定は国家資格ではありません。大阪商工会議所が主催する民間資格です。そのため、他のメンタルヘルスに関する国家資格である労働衛生コンサルタントや公認心理師と比べ、専門性や取得難易度が低いと判断されることもあるようです。
しかし、メンタルヘルス・マネジメント検定の目的は組織内のメンタルヘルスを高めるために必要な知識を身につけることです。そのため資格取得を検討する際は、必要な知識が身につくかどうかを軸に判断することが大切です。
目的に応じて必要なコースを見極め受験しよう
どんな資格でも同じですが、資格を取得する目的を明確にしてからコースを見極め、受験するようにしましょう。
きちんと吟味されないまま『何となく転職に有利そうだから』という理由で受験をする場合は、資格が役に立たなくなる可能性が高まります。
メンタルヘルス・マネジメント検定のコースはⅢ種とⅡ種、Ⅰ種の3種類があります。それぞれの目的についてはⅢ〜Ⅰ種の各コースを開設で詳しく紹介をしていますので、ぜひチェックをして自分の目的に合いそうか確認してみましょう。
メンタルヘルス・マネジメント検定取得のメリット
メンタルヘルス・マネジメント検定取得のメリットとしては、メンタル不調の一時予防に役立つこと、知識を人材育成に活かせること、企業の生産性アップにつながることなどが挙げられます。
体の健康は誰しも注意を払いますが、心の健康は見過ごされがちです。そこで企業内の従業員のセルフケアや、上司・部下、組織と従業員という関係性の中でのメンタルサポートを手厚くする視点の導入が必要となります。
メンタル面における職場環境の安定により、企業の生産性を上げられる点は検定取得の大きなメリットといえます。
一次予防(病気の未然防止や健康増進)に役立つ
メンタルヘルスの一時予防とは、精神疾患の予防やメンタルヘルスの増進を行うことにより、実際に病気になったり休職・退職をするリスクを減らしたりすることをいいます。メンタルヘルス・マネジメント検定では、休職者や復職者のサポートはもちろん、メンタル不調の未然防止に力を入れた対策法を学ぶことができるのです。
具体的には、メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅲ種においてはストレスに関する基礎知識とセルフケアの実施法を学びます。また、Ⅱ種では職場環境の評価および改善の方法、部下からの相談対応方法(具体的な声の掛け方や助言の仕方)を、Ⅰ種では社内の相談体制の確立方法、教育・研修の実施方法などを学びます。
得た知識を人材育成に役立てることができる
企業の休職や離職が少なくなれば、人員の穴埋めをする機会が少なくなり、より人員の安定し落ち着いた環境で人材育成に取り組むことができるようになります。企業が業績をあげて目標を達成するためには、従業員に必要なスキルの習得を促し、従業員を育成することは欠かせません。
人材育成の基本的なスキルには、コミュニケーション力やリーダーシップ、目標や計画を管理する力が含まれます。メンタルヘルス・マネジメント検定では、人材育成に必要な能力を各カリキュラムから間接的に学ぶことも可能です。特に部下の話の聞き方や助言の仕方は大いに役立つ知識といえます。
企業の生産性アップにつながる
企業全体で各従業員のメンタルヘルスマネジメントに取り組むと、個人の精神的健康が増進されるだけでなく、企業としてもさまざまなメリット得ることができます。メンタル不調による休職者や退職者が減れば、企業にかかるコストは減ります。
突然、人が途切れることがなくなればリスクマネジメントになりますし、生産性アップにもつながるのです。
働きやすい職場環境が整い、従業員のメンタルヘルスが健康に保たれることで、仕事へのモチベーションも高まります。優秀な人材が意欲的に働けるようになれば、生産性は必然的に向上するでしょう。結果として従業員のメンタルだけでなく、会社の業績も安定するのです。
メンタルヘルスマネジメント検定Ⅲ種〜Ⅰ種の各コースを解説
メンタルヘルス・マネジメント検定の受験コースは、Ⅲ種(セルフケアコース)とⅡ種(ラインケアコース)、Ⅰ種(マスターコース)の3種類です。それぞれ一般従業員と部門・部署の管理職、人事・総務部門向けと対象者が異なります。
受験の際は、Ⅲ種から受けねばならないといったルールはないため、どのコースからでも挑戦をすることができます。
Ⅲ種:セルフケアコース
メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅲ種(セルフケアコース)は、一般社員向けのコースです。
組織の中で従業員がセルフケアを行えるようになることを目標としています。従業員が自らのストレス状態を把握でき、メンタル不調に早期に気づき、セルフケアを行い、必要な場合に周囲に助けを求められるようになるのを目指します。
Ⅱ種:ラインケアコース
メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅱ種(ラインケアコース)は、管理職向けのコースです。
部署内で、上司として部下のメンタルヘルス対策を推進することが目標です。例えば、部下がメンタル不調に陥らないよう普段から配慮することはもちろん、万が一部下が休職した場合には、管理職として適切に対応し復帰をサポートできるようになるのを目指します。
Ⅰ種:マスターコース
メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅰ種(マスターコース)は、人事・総務部門向けのコースです。
会社の経営方針を踏まえ社内のメンタルヘルス対策を計画します。また、社内の産業保健スタッフや社外の医療機関といった専門機関と連携する方法も学びます。その他、従業員に向けてメンタルヘルス対策を推進する研修の企画立案、実施をする力を身につける点も特徴的です。
メンタルヘルス・マネジメント検定の難易度と合格率を解説
メンタルヘルス・マネジメント検定の各コースの試験難易度は、Ⅲ種が最も易しく、Ⅰ種が最も合格難易度の高い試験となります。
Ⅰ種の試験は、マークシート選択式のほかに論述式問題への対策も必要になるという点でも大きな壁があります。難易度が高くなるにつれ、必要な勉強時間も多くなるのでしっかり把握しておきましょう。
メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅲ種の難易度
Ⅲ種(セルフケアコース)の取得難易度はそう高くはありません。
必要な勉強時間はおおよそ10~20時間程度なので、1週間程度あれば問題なく合格できます。公式テキストをひととおり読み、問題を解くことができれば合格レベルに達します。
Ⅲ種の出題範囲と合格基準
メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅲ種の出題範囲と合格基準は以下の通りです。
メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅲ種出題範囲
- メンタルヘルスケアの意義
- ストレスおよびメンタルヘルスに関する基礎知識
- セルフケアの重要性
- ストレスへの気づき方
- ストレスへの対処、軽減の方法
- 社内外資源の活用
出題形式はマークシート選択式となっており、試験時間は2時間で、100点満点中70点以上で合格となります。
メンタルヘルスに関する基礎となる知識と、ストレスへの気づき方や対処方法などの「セルフケア」を学ぶことが出来ます。
メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅲ種の合格率
セルフケアコースであるメンタルヘルス・マネジメント検定Ⅲ種の第32回試験以降の合格率推移は以下の通りです。
実施日 | 実受験者数(人) | 合格者数(人) | 合格率(%) |
第34回(2023年3月19日) | 5,035 | 3,995 | 79.3 |
第33回(2022年11月6日) | 5,458 | 3,787 | 69.4 |
第32回(2022年3月20日) | 4,849 | 3,121 | 64.4 |
上表を見ると分かるように、Ⅲ種検定の合格率は64~80%程度を推移していることが分かり、半分以上の人が合格する比較的難易度の易しい試験といえます。
メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅱ種の難易度
メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅱ種は、Ⅲ種と比べるとより法律や制度の細かな数値の暗記が求められますが、試験傾向をつかみ正しく勉強し準備をしておけば、問題なく合格できます。
必要な勉強時間はおよそ30~50時間程度で、1日1時間の学習を1ヶ月継続すれば合格ラインを目指すことが可能です。
Ⅱ種の出題範囲と合格基準
メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅱ種の出題範囲と合格基準は以下の通りです。
メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅲ種出題範囲
- メンタルヘルスケアの意義と管理職の役割
- ストレス及びメンタルヘルスに関する基礎知識
- 職場環境などの評価及び改善の方法
- 個別の労働者への配慮
- 部下からの相談対応(話の聞き方や、情報提供及び助言の方法)
- 社内外資源との連携
- 心の健康問題をもつ復職者への支援方法
出題形式はⅢ種と同じくマークシート選択式の筆記試験となっており、試験時間は2時間で、100点満点中70点以上で合格となります。
メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅱ種の合格率
ラインケアコースであるメンタルヘルス・マネジメント検定Ⅱ種の第32回試験以降の合格率推移は以下の通りです。
実施日 | 実受験者数(人) | 合格者数(人) | 合格率(%) |
第34回(2023年3月19日) | 11,918 | 6,444 | 54.1 |
第33回(2022年11月6日) | 10,998 | 6,401 | 58.2 |
第32回(2022年3月20日) | 11,128 | 7,763 | 69.8 |
Ⅱ種検定の試験合格率も5割を超えており、54~70%程度を推移しています。このことから、難易度の高くない試験といえますが、Ⅲ種と比較すると試験範囲が広く、勉強時間はしっかり確保する必要があります。
メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅰ種の難易度
メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅰ種はマスターコースと位置付けられる難易度の高い試験です。
Ⅱ種〜Ⅲ種と比べてより正確な知識を必要とし、専門用語を用いて論述形式で答えなければならない問題も出てきます。
必要な勉強時間はおよそ100~200時間程度と言われ、Ⅱ種の2~3倍学習時間が必要です。1日1時間の学習を2〜3ヶ月継続すると合格ラインに到達することが可能です。
Ⅰ種の出題範囲と合格基準
メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅲ種出題範囲
- 企業経営におけるメンタルヘルス対策の意義と重要性
- メンタルヘルスケアの活動領域と人事労務部門の役割
- ストレスおよびメンタルヘルスに関する基礎知識
- 人事労務管理スタッフに求められる能力
- メンタルヘルスケアに関する方針と計画
- 産業保健スタッフ等の活用による心の健康管理の推進
- 相談体制の確立
- 教育研修
- 職場環境等の改善
出題形式はマークシート選択式と論述式の2種類があり、試験時間は選択式が2時間、論述式が1時間となっています。
配点は選択式が100点、論述式が50点満点で、それぞれの得点の合計が105点以上であれば合格ラインとなります。ただし、論述式の得点が25点以上必要で、これを下回ると全体の得点が合格点に達していても不合格となります。
メンタルヘルス・マネジメント検定Ⅰ種の合格率
マスターコースであるメンタルヘルス・マネジメント検定Ⅰ種の第29回試験以降の合格率推移は以下の通りです。
実施日 | 実受験者数(人) | 合格者数(人) | 合格率(%) |
第33回(2022年11月6日) | 1,628 | 287 | 17.6 |
第31回(2021年11月7日) | 1,521 | 301 | 19.8 |
第29回(2020年11月1日) | 1,276 | 272 | 21.3 |
※Ⅰ種検定は年に1回のみの開催
上表を見ると分かるように、合格率は17~22%で推移しており、Ⅰ種検定から急速に難易度が上がっていることが分かります。
先述したように、Ⅰ種試験はマークシート形式の試験だけではなく、専門用語を使った論述試験も出題されます。そのため、より幅広く深い知識が求められることが、難易度を引き上げている要因となっています。
難易度は合格率に比例するわけではない
上記の合格率をみて、Ⅰ種(マスターコース)に挑戦することをためらわれた方がいるかもしれません。しかし、試験の合格率はあくまで目安の数値でしかありません。
合格率はあくまで受験者数に対する合格者の割合を指しているに過ぎません。受験者といっても次年度の下見の人や、忙しくて勉強時間がなく準備不足の人も含まれます。あまり準備できていない状況で受験されている方を含めての数値ですので、合格率が低いからあきらめる必要はありません。
自身が必要とする知識が身に付けられる検定をしっかり見極め、挑戦していきましょう。
おすすめの試験勉強法を解説
試験勉強の方法は、大きくインプットとアウトプットの2種類に分けられます。
検定などの試験勉強を行う際は、インプットとアウトプットをバランスよく行うのがポイントです。インプット4割、アウトプット6割くらいでアウトプットを多めに行い、試験の形式に慣れていくのがコツとなります。
以下はおすすめの勉強方法の一覧となりますので、これから試験合格を目指す人はチェックしておきましょう。
メンタルヘルス・マネジメント検定対策のおススメ勉強方法
- テキストを入手し暗記する
- YouTube動画やアプリを利用する
- 公式の受験対策講座を受講する
- 過去問やアプリで苦手な問題を中心に解く
まずは必要知識をインプット
メンタルヘルス・マネジメント検定の基本的な勉強法はテキストを用いたインプットです。
まずは公式テキストを読み込んでみて、テキストだけでは要点が絞りきれないと感じたり、そもそもテキスト学習が合わないと感じたりした場合はポイント問題集やYouTube動画、アプリを用いたポイント学習を選択肢に入れます。
独学で学習を進めるのが不安という人には、公式のWEB講義や対面講座がありますので、柔軟に自分自身に合った方法を活用しましょう。
テキストを入手し暗記する
メンタルヘルス・マネジメント検定に必要な知識のインプットをするとして、まず第一に選択肢に挙げたいのが公式テキストの熟読です。Ⅲ種であれば、必要知識のインプットは公式テキストのみで事足ります。Ⅱ種・Ⅲ種になると公式テキストだけでは要点が絞りきれず、勉強を進めにくいと感じるかもしれません。その場合は適宜、重要ポイントをまとめた問題集を活用し、ポイントを絞って学習することをおすすめします。
YouTube動画やアプリを利用する
ポイントを絞りたい場合は、YouTubeやアプリの活用もおすすめです。YouTubeであれば、1回10分〜20分で生活の隙間時間に要点をおさえることができます。Ⅲ〜Ⅰ種に対応しており、無料です。書籍を用いた学習が苦手な方におすすめです。
また、検定対策に対応したアプリを利用可能な講座もあるため、興味がある人は調べてみる尾良いでしょう。
公式の受験対策講座
独学で勉強を進めるのが不安という人には、大阪商工会議所の公式の受験対策講座がおすすめです。
こちらは公式テキストを使用したWEB講座と対面講座の2種類があります。対面講座は定員に達すると募集を終了することもあるので、興味がある場合は早めに申し込むようにしましょう。
慣れきたらアウトプットを行う
公式テキストの読み込みやYouTube動画、ポイントをまとめた参考書、アプリを活用したインプットが完了したら、次はアウトプットを行いましょう。
1つの単元ごとに過去問を解き、間違えたところを中心に解いて苦手をつぶしていきます。繰り返していくうちに自分の間違いやすいポイントが見えてくるので、後はひたすらその苦手を克服するのみです。
過去問やアプリで苦手な問題を中心に解く
Ⅰ種(マスターコース)を受験希望の人は論述式問題への対策を忘れずに行いましょう。自分用のノートを作り、重要キーワードを自分の言葉で説明できるようにしておくのです。過去問を解くときは、問題を見てすぐにキーワードを数個思い浮かべメモしておき、それを見ながら文章構成を考える方法がおすすめです。
Ⅲ種〜Ⅱ種であれば、過去問を解くのにアプリを活用する方法もあります。メンタルヘルス・マネジメント検定「秒トレ」アプリでは、忘れやすいタイミングに復習ができたり、おさらい出題で苦手を克服したりすることができます。
過去問や問題集を解く
インプットがある程度の段階まで出来たら、あとはひたすら問題集や過去問を解くとよいでしょう。
インプットした内容を問題集を通してアウトプットすることで、自身が理解できていることとそうでないポイントがはっきり分かるようになります。問題集で間違えた部分を改めて解説などを読みつつインプットを行い、知識をしっかりと定着させていきましょう。
メンタルヘルス・マネジメント検定の試験概要
メンタルヘルス・マネジメント検定の試験日時や受験料、試験時間は下記の通りです。
検定コース | 受験料(税込み) | 試験時間 | 試験形式 |
Ⅲ種 | 5,280円 | 2時間 | マークシート形式 |
Ⅱ種 | 7,480円 | 2時間 | マークシート形式 |
Ⅰ種 | 11,550円 | ・前半 選択問題:2時間 ・後半 論述問題 1時間 | ・マークシート形式 ・論述形式 |
試験日程に関しては、Ⅲ種(セルフケアコース)とⅡ種(ラインケアコース)が年2回、Ⅰ種(マスターコース)が年1回試験のあることに注意してください。
試験1〜2ヶ月前から申し込みが始まりますので、受験する際は日時に余裕を持って行動しましょう。試験会場は自由に選択が可能です。また、実施コースを自由に選択ができるため、Ⅲ種とⅡ種、Ⅰ種を同日受験することが可能です。
メンタルヘルス・マネジメント検定受験の流れ
メンタルヘルス・マネジメント検定の受験の流れは下記の通りです。
メンタルヘルス・マネジメント検定受験の流れ
- インターネットから検定に申し込む
- 受験料を支払うと受験票が届く
- 検定受験当日
- 検定合格の場合は合格証が届く
インターネットから実施コースを選んで申し込み、受験料を支払うと受験票が手元に届き、受験完了後にWEB照会で合否を確認することが出来ます。
インターネットから検定に申し込む
メンタルヘルス・マネジメント検定は、大阪商工会議所の公式ホームページからインターネット申し込みができます。受験料の支払いは「クレジットカード決済」もしくは「コンビニ店頭決済」のいずれかを選択できます。実施コースに関しては、Ⅲ種・Ⅱ種を同時に申し込み可能です。
また、いきなりⅡ種検定から受験に挑戦することも可能です。
受験料を支払うと受験票が届く
受験料を支払い無事に申し込みが完了すると、受験票発送日以降にハガキが手元に届きます。この受験票によって試験会場が告知されます。
また、試験の注意事項や当日の持ち物なども記載されており、合否の照会にも必要になりますので大切に保管しておきましょう。
検定合格の場合は合格証が届く
WEB成績照会期間内にインターネット上で合否を確認することができます。WEB成績照会URLは受験票に記載されており、再発行ができないため注意してください。
合格者には合格証と成績表が普通郵便で届きます。特に発行手続きなどは必要ないため、合格を確認した後は合格証が届くのを待ちましょう。
メンタルヘルス・マネジメント検定の難易度まとめ
メンタルヘルス・マネジメント検定は、働く人たちの心の不調を未然に防ぎ、活力ある職場づくりを目指すために、職場での役割に応じて「メンタルケア」を学ぶ検定試験です。
セルフケアの方法を学べるだけでなく、組織内部のメンタルヘルスの向上のための環境調整法を知ることができ、とても有益な資格です。
合格率を鑑みるとⅡ種・Ⅲ種検定は比較的取得しやすい資格と言えるので、自身の求める知識・スキルに合わせて最適なコースの受験を行いましょう。